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彩の国さいたま芸術劇場 |

劇場職員・スタッフお仕事紹介

さい芸劇場職員・スタッフお仕事紹介

2024年3月21日

2024年2月末まで大規模改修工事に伴い休館中の彩の国さいたま芸術劇場。演劇、舞踊、音楽公演などの舞台裏はもちろんのこと、様々な人たちがありとあらゆる仕事をしながら劇場を支えています。そんな劇場で働く「人」にスポットライトを当て、普段の業務の様子やちょっと意外な仕事内容、劇場で行われた思い出の公演などをご紹介します!

 

 

▼設備担当Tさん(所属:埼玉ビルメンテナンス協同組合 )
▼清掃担当 Yさん(所属:埼玉ビルメンテナンス協同組合)
▼理事長 加藤容一さん
▼芸術監督 近藤良平さん
▼企画制作課(音楽担当)Aさん
▼営業広報課(営業担当)Mさん
▼制作技術課(舞台担当)Oさん
▼企画制作課(社会貢献・舞踊担当)Uさん
▼営業広報課(票券担当)Sさん
▼企画・地域振興課 Hさん
▼制作技術課(音響担当)Oさん
▼営業広報課(広報誌担当)Hさん
▼技術計画課 Wさん
▼総務課 Nさん
▼企画制作課(演劇担当)Mさん
▼利用調整課 Yさん
▼制作技術課(照明担当)Sさん

 

 設備担当Tさん(所属:埼玉ビルメンテナンス協同組合 )

お仕事紹介17回目は、委託業者さんの紹介第2弾として、劇場の設備の維持・管理を担う埼玉ビルメンテナンス協同組合の設備担当Tさんからお話を伺いました。劇場が快適で安全な場所であり続けられるよう、小さなことから大きなことまでメンテナンス全般を担う「縁の下の力持ち」設備さん。そのお仕事内容や、劇場でのちょっと意外な(⁉)思い出などのエピソードもあわせてお伝えします。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
劇場に来場されるお客様をはじめ、働くスタッフの方たちが快適に過ごすことができるように、劇場内の設備機器の維持管理をする仕事です。具体的には「空調・電気・防災・給排水」等の機器点検や動作確認、管球交換や空調フィルター交換、簡易的な修繕…などを行っています。

 

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?
不具合の早期発見ができるよう、検針などで劇場内を巡回する時は、ちょっとした変化に気づけるよう五感を使い注意深く観察することを意識しています。

 

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
昨年11月まで行われていた大規模改修工事の現場に立ち会っていたことです。たくさんの業者の方たちが工事に関わっていて、色々なお話が聞けたりより使いやすくなるように工夫をしてくれていたり、学ぶことも多くとても貴重な体験をさせていただきました。

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
思い出の「公演」ではないのですが、若かりし頃(20数年前)にミュージカルのオーディションを受けに初めて彩の国さいたま芸術劇場へ来たことが1番の思い出です。オーディションには落ちてしまいましたが、ご縁があり劇場で働けてとてもうれしいです。

 

 

【劇場の中で好きな場所】
シンボルタワーと大階段

ライトアップされたシンボルタワーと大階段がキレイなのはもちろんですが、時期によっては、ライトの色に啓発メッセージがこめられていることを知り、多くの人にそのメッセージが伝わっていたら良いなと思いました。

 


 

  清掃担当 Yさん(所属:埼玉ビルメンテナンス協同組合 )

これまでは劇場の職員のお仕事をご紹介してきたこの企画。ここからは、職員と共に劇場を支えている委託業者の皆さんにご登場いただきます。16回目は清掃業務を務める埼玉ビルメンテナンス協同組合 清掃担当 Yさん。清掃に苦労したという公演のエピソードも。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?

主に清掃とゴミの回収で、利用のあった施設・箇所を次に利用がある前にリセットしております。また来館者が多い日は、トイレの巡回清掃やゴミ回収の回数を多くして対応しております。

 

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?

利用されている方から「きれいですね」(言うまでもなく、容姿のことではなく、劇場施設が)との声を頂戴できた時です。

 

 

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。

舞台上に本物の泥を敷き詰め、そこに水をまいて田んぼのような状態して行われた公演(さいたまネクスト・シアター『真田風雲録』)の際は、跳ねた泥が客席の椅子や床に飛び散り、その清掃をするのにとても苦労しました。

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?

彩の国さいたま芸術劇場開館20周年記念「彩の国さいたま芸術劇場オープンシアター」(2014)です。参加型のイベントが多く催され、屋台村も設置され、とても賑わっていた雰囲気が良かったです。

 

 

――前の方(理事長・加藤容一)からの質問です。
「清掃をする際、最もこだわっていることは何ですか?あるいは最も力を入れている点はどこですか?」

清掃という仕事の目的は「施設を利用される方に、気持ち良く・心地良く使ってもらえるようにすること」なので、美観維持だけでなく、挨拶や応対で不快感を与えないようにすることにも留意しております。

 

 

【愛用している仕事道具】
ハンディクリーナー、ウエス、スプレー
・簡易的な掃除なら、この3点セットさえあれば、ほぼ対処可能
(様々な汚れであっても使い方次第で対処可能。道具を使いこなしてこそプロフェッショナル)
・充電時間が短く軽量で使いやすいハンディクリーナー
・スプレーにアルコールを充填しておけば、消毒を兼ねて掃除ができます。

 

 


 

 理事長 加藤容一さん

お仕事紹介15回目は、彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館を運営する「公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団」の加藤容一理事長から話を聞きました。劇場にいらっしゃるお客様、理事・評議員の皆様、国や県、サポーター、そして地域の方々などのご理解とご支援をいただくため、組織のトップとして立ち回る「理事長」。そのやりがいや、こだわりポイント、意外な仕事なども含め、「理事長」という少し見えづらいお仕事、そして加藤理事長の素顔に迫ります。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
財団は、多くの方々に舞台芸術の公演や事業をお届けし、感動、満足、心の安らぎ等を感じていただくために、財団職員や関係者と一緒になって、作品の創造、人材を含めた体制、施設管理や必要な資金の調達などを進めていますが、それらが順調に進むよう、責任者として活動しています。
こだわっているのは「お客様満足」です。方針決定や判断では重要な条件と考えています。満足できる公演・事業であるか、施設・サービスは十分か、発信者視点だけでなく、お客様に満足していただけているかを大切に、各担当部署の仕事を見ています。

 

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
公演や事業をご覧になったお客様が、終了後笑顔や満足そうな表情をされて出てこられ、良かったよとお声をかけていただいたときなどは、安堵するとともに、あらためて芸術文化事業の重要性・必要性とやりがいを感じています。お客様にお願いしたアンケートを読ませていただいていますが、その内容は満足・感謝・驚き・感動といった感想も多く、特にお子さんたちから送っていただく感想からは、私どもが提供する内容が、彼らの自信や創造性、挑戦のきっかけになっていくであろう、と密かに、でも確信しています。

 

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
良い作品や事業を提供するには資金が欠かせません。企業や個人のみなさまのご理解を得て事業運営の資金の寄付をお願いする活動もしています。 
財団のサポーター制度 サポーター会員 年会費1口10万円から。いろいろな特典があります。

 

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
世界で活躍されているある若手女性ピアニストに公演前にご挨拶させていただいた際、横にいたご両親から「娘に『さいたま芸術劇場の音楽ホールが一番良い音がするコンサートホールなので聴きに来て』と言われてこちらに足を運びました」、とお聞きして、芸術劇場のすばらしさを再確認するとともに、大変うれしかったです。

 

 

――前の方 芸術監督の近藤良平さんからの質問です。
「若かりし頃に、最も影響を受けた人物または出来事は、なんですか!?」
30年近く前、「恵比寿ガーデンプレイス」という複合都市開発に携わりました。このプロジェクトには、都市開発・建設・マーケティング・営業・管理運営・PRの各社からプロが集まりプロジェクトチームを構成し約10年もの間一緒に仕事をしました。その人々との出会いやそこでの仕事、考え方は私が経験したことのないものばかりで、その後の私の人生に大きく影響を与えました。

 

 

【思い出の公演】
さいたまゴールドシアター・最終公演『水の駅』

 

理事長就任後に関わったさいたまゴールド・シアターの公演でした。お客様はもちろん演者、劇場の関係者を含め、すべての人に特別な気持ちと感動を与えた素晴らしい公演でした。

 

【劇場の中で好きな場所】
ガレリア

 

建築的にはインフォメーションからホール方面へ水平に見るのが美しいのですが、私は2階の共通ロビーからインフォメーション側を見る角度が好きです。日頃はこの場所から、公演の開演間際にお客様が駆け込んでいらっしゃらないか確認しています。

 


 

  芸術監督 近藤良平さん

お仕事紹介14回目は、2022年4月より彩の国さいたま芸術劇場の「顔」でもある芸術監督に就任した近藤良平さんに話を聞きました。芸術監督といっても具体的にはいったいどんなことをしているのか、その秘密に迫ります。劇場で上演された思い出の舞台についてのエピソードも。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
劇場で上演するプログラムや海外招聘作品を決定しています。また埼玉県内の地域や他県との橋渡し的な役割を果たしたりもしています。自分の場合はダンスが専門のため、社会に果たすダンスの役割は何かを考え、振付やワークショップなどで関わっています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
表現する様々な方たちに出会えること。劇場という未知の空間に、人びとの知恵を結集して、濃密な時間を創り出す、そのことそのものがやりがいなのかもしれないと感じています。

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
芸術監督という少し変わった職業。仕事。見本があまりない。その分、なにをやってもいいし、どんなこともやるしかない、と思っています。最近やった珍しいことで言えば鹿肉を解体しました。絵描きになりました。ロゴデザインを決定しました。

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
劇場に来て、芸術監督という立場になってすぐに撮影があり、あまり普通は行くことのない劇場の屋根の上のような場所へ行きました。そこはかなり高い場所にあり、風がビュンビュン吹く夕方で、遠くに富士山がど〜んと見え、高速道路や新幹線も見えて、埼玉に浮かぶ「劇場」という大きなノアの方舟に思えました。すてきだなと。

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
ありすぎます。ですがやはりピナ・バウシュの『カーネーション』かな。大学の頃のあこがれの舞台が、ここで観られるということで大興奮でした。与野本町駅から焦って走ったため大きくコケたのも今はよき思い出です。

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『カーネーション』

 

 

――前の方(企画制作課(音楽担当)Aさん)からの質問です。
「近藤監督は、幼い頃南米で暮らしていらしたと伺いました。日本に戻られたとき、いちばん驚いたことはどんなことですか? また、南米時代に嬉しかったこと、南米を懐かしいと感じることもあれば教えてください」
「日本はとってもグレー(灰色)だな」と思いました。おそらく電柱とかコンクリートとかのせい。そして、いろいろなことが曖昧でグレーだな!と。ちなみに南米の印象は茶色です。時代もありますがまだまだ土やレンガのイメージがありました。
嬉しかったことは「肉がおいしい」ことと「サッカーが楽しい」こと。今にも大きく影響しています。
日本の山々は美しいです。南米にはドーンとアンデス山脈があり、夕暮れ時にガッと赤く染まります。日本の山々を見ては時々思い出します。

 


 

企画制作課(音楽担当)Aさん

お仕事紹介13回目は、彩の国さいたま芸術劇場や埼玉会館で開催する音楽公演の企画制作や、県内小中学校へのアウトリーチ、オルガン講座の運営など、様々な形でその魅力を届ける、「音楽」のプロフェッショナル、企画制作課(音楽担当)のAさんからお話を伺いました。巨匠ピアニストの印象的なエピソードなども交えて、音楽公演の魅力に迫ります。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
財団が主催する音楽事業の内容を考え、コンサートなどの形に創り上げていく仕事をしています。
予算を立て、アーティストに出演依頼をし、チケット販売や広報の計画を立て、舞台・音響・照明のスタッフとともに、コンサートに必要な準備を進めていきます。チラシやプログラムを作成することから、ピアノ調律の手配、楽屋にお茶の準備をすることまで、本当に大小さまざま、たくさんの仕事があります。また、劇場のポジティフ・オルガンの奏法を学ぶ講座の運営や、劇場の外に出て、アーティストとともに県内各地の小中学校などを訪れ、子どもたちの身近な場所に音楽を届けるアウトリーチ活動もおこなっています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
コンサートに対するお客様の反応に接したときです。拍手やどよめき(!)など、会場での反応や、お帰りのときのお客さまの表情、アンケートへのメッセージなどから、ふたつとない貴重な時間を過ごしていただけたと感じるとき、この仕事をしていてよかったな、と思います。

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
ホールでのリハーサルに立ち会うことです。お客様のいない、がらんとしたホールに美しい音が満ちていき、本番でのお客様の反応を想像して期待がふくらんでいく時間が大好きです。

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
一つ選ぶのは難しいですが、2017年に開催された「アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル」は特に思い出に残っています。シフさんが、約90分のプログラムを休憩無しで続けて演奏したいとおっしゃったのです。お客様にもその旨をお知らせして、コンサートは始まったのですが、素晴らしい演奏にお客様も高い集中力で応え、会場全体が一体化したような特別な時空間が生まれました。曲ごとの拍手も起きない中、最後まで一気に弾き切ったシフさん。そのあとの割れんばかりの拍手は忘れられません。そして、リラックスし打ち解けた雰囲気の中、アンコールをなんと7曲も披露してくれました。アーティストとお客様がひとつになる、生のコンサートだからこそ実現した唯一無二の時間にかかわれたことを本当に嬉しく思いました。

 

――前の方(営業広報課(営業担当)Mさん)からの質問です。
「彩の国さいたま芸術劇場の周辺でおすすめスポットはありますか?」
私は劇場まで自転車通勤することが多く、帰宅時は駅へ向かう同僚を尻目に、別方向に自転車を走らせます。その時の気分で色々な道を通りますが、劇場裏手のマンション沿いの歩道にある桜並木はおすすめです。桜の季節、仕事が忙しくてお花見に行けないときも、自転車での帰り道、独り夜桜見物を楽しんでいます。

 

【劇場の中で好きな場所】
音楽ホール

 

たくさんの名演が生まれてきた音楽ホール。美しい音をたっぷり吸ってきたホールの中にいると、自分の中にも何か尊いものが流れ込んできて、良い人間になれる気がします(笑)。

【思い出の公演】
ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス「2」

初めて劇場大ホールの最前列で鑑賞した公演で、ダンサーの動きに影響されて思わず自分の体も持っていかれるような感覚に、衝撃を受けました。

 


 

営業広報課(営業担当)Mさん

お仕事紹介12回目は、学校団体や劇場近隣のお客様など、より多くのお客様に劇場へ足を運んでいただけるよう、日々さまざまな業務をこなす、営業広報課(営業担当)のMさんに話を聞きました。営業担当の視点からの苦労話も。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
財団主催事業のチケット販売に関すること、例えば販売システムの設定・調整や、Webサイトの運営などをしています。演劇や吹奏楽、ダンスなど芸術文化活動に関わる学生さんを含めた団体のお客様や、地域の皆様へのご案内も大切な仕事です。地元メディアへのアプローチや、文化施設へのチラシ設置、自治会や学校へのチラシ配布なども地道に行っています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
チケットを発売してから当日券販売を行い、公演が無事に終了したとき。当たり前のことですが、大きなトラブルがなく多くのお客様に鑑賞いただき、公演が終わったときにホッとします。これは担当部署に関わらずすべてのスタッフがそれぞれの立場で同じ感覚だと思います。

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
「さいたまゴールド・シアター」は自分自身の両親と同世代のメンバーが多く活躍していたため、どうしても比較してしまっていました。全作品は観られていないのですが、鑑賞するたびに高齢者から見えないパワーを吹き込まれる、不思議な体験だったことを思い出します。

 

――前の方(制作技術課(舞台担当)Oさん)からの質問です。
「舞台や映画を観る時の作品選びについて、決め手となるポイントは何ですか?」
人気やジャンル、タイトルなどはあまり気にせず、好きな俳優の出ているものをよく観ているような気がします。

 

 

【思い出の公演】

2010年、彩の国シェイクスピア・シリーズ第22弾『ヘンリー六世』の時。チケット発売後に、演出の都合で対面客席にすることになり、本来の客席の反対側に仮設客席を急遽設定しました。販売済みの客席の一部を振り替えるなど、対応に苦労しました。

 


 

 制作技術課(舞台担当)Oさん

お仕事紹介11回目は、公演が繰り広げられる「舞台」をささえるため、図面作成から各セクションとの調整に加え、舞台上の安全管理なども担う制作技術課(舞台担当)のOさんからお話を伺いました。海外公演での驚きのエピソードなどもあわせてお送りいたします。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
公演の舞台に関わる仕事を担当しています。公演の準備として稽古や打合せなどに参加し、図面を描き、照明・音響など各セクションとの調整を図りながらスケジュールを組み、舞台の設営・撤去、本番の進行などもしています。また、舞台機構設備の保守委託の管理、舞台備品の管理など、劇場の舞台に関わる維持管理もしています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
準備してきた図面どおりに舞台が設営できた時、段取りよく進められた時、舞台の仕掛けものが上手くいった時。無事に初日の公演を終えられた時は達成感があります。もちろんその公演の撤去作業が終わるまで気は抜けませんが…

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
PCを使ったCAD図面作業が割と好きです。キレイな直線や図形が簡単に描けるので気持ちがいいです。図形がぴったりハマるとパズルのような感覚で楽しいのですが、没頭しすぎないように注意しています。あとは仕掛けを考えて作ったり、小道具などを作ったり、ものを作ることが好きです。

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?
CADを活用し、事前に空間を把握することです。例えば必要に応じて舞台美術の図面を3D化してデジタル模型を作成し、客席からの見え方を検証することもあります。また、設営の工程を検証する上で2D図面だけでは把握しきれないような部分も3D化することでよりイメージがしやすくなります。

 

――前の方(企画制作課(舞踊・社会貢献班)Uさん)からの質問です。
「劇場で創った作品の多くは、実は国内外を巡回しています。舞台担当として印象に残っている旅先でのエピソードはありますか。」
『さいたまネクスト・シアター×さいたまゴールド・シアター「リチャード二世」』という作品でルーマニアに行った時のことです。到着後、現地会場に向かい事前にお願いしておいた設営を確認しようとしたところ、そこでは全く関係のない公演のゲネプロが行われており、翌日もそのセットがまだ残っていました。その後も現地スタッフが途中で帰ってしまったり、現地で製作をお願いしていた舞台セットも製作が間に合ってないこともあり、もう公演はできないかもしれないと思いましたが、紆余曲折あってなんとか初日の幕が上がった時、スタッフ・キャスト一丸となってやり遂げようという気持ちさえあればなんとかなってしまうのものなのだと感じました。

 

【劇場の中で好きな場所】
ガレリア

 

天井も高く、外光が差し込んで明るく真っ直ぐ伸びた長い廊下はいつ通っても気持ちがいいです。展示がある時は見応えのある場所でもあると思います。

【愛用している仕事道具】
レーザー距離計、メジャー、ペンやカッターなどが入ったポーチ、ipadなど。
最近では現場でみる図面などは紙ではなくデータで持ち歩いたりしています。

 

 


 

企画制作課(社会貢献・舞踊担当)Uさん

お仕事紹介10回目は、企画制作課(社会貢献・舞踊担当)Uさん。「埼玉回遊」や「出張! ワークショップ・アラカルト」などの企画から「日本昔ばなしのダンス」や海外招聘ダンス公演まで、幅広く担当するUさんにお話を聞きました。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
舞踊と社会貢献の2部門が今年度から一つの部署に合流して、振付家・ダンサーである近藤良平芸術監督の「地域とクロス」する企画や専門分野のダンス公演を企画、実施しています。芸術監督の「こんなことできないかな!?」を具体的な企画に落とし込み、舞台公演に限らずさまざまなプログラムとして形にしていくのが仕事です。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
「日本昔ばなしのダンス」やオープンシアター「ダンスのある星に生まれて」など、劇場では子どもたちが鑑賞できる公演も制作しています。子どもたちが舞台にじっと見入る姿を客席の後方から眺めるのが大好きです。思わず声があがったりすると、制作担当としては「してやったり!」と思いますし、とてもやりがいを感じる瞬間でもあります。

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
彩の国さいたま芸術劇場では公演などの広報も制作担当が担っています。なかでも、取材の立ち合いは緊張もしますが非常にワクワクするお仕事です。演出家や振付家、ダンサーたちのイマジネーション豊かで核心を突いた言葉に直に触れ、ハッとさせられることもしばしば。宝物のような時間です。

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
パーキンソン病患者の方たちに向けてオンラインでダンスワークショップを行っていますが、ご高齢の参加者が多いので、Zoomの接続に四苦八苦することも。アプリのダウンロードから接続の仕方まで、電話口で説明しながら一つずつ試していただいたり、訪問介護の方に電話をつないでいただいたり。つながって画面越しにお顔が見られた時の感慨はひとしおです。

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
来年1月にも来日するバットシェバ舞踊団の2010年公演では、アイスランドの火山噴火のため世界的に航空機の運休が相次ぎ、予定した便で帰国ができなくなりました。いつでも飛べるように毎日朝晩ホテルで集合してタイミングを待ち、さまざまなルートでバラバラになりつつも数日後にようやく帰国便が手配できた時には、歓喜の渦でした。

 

――前の方(営業広報課(票券担当)Sさん)からの質問です。
「埼玉回遊で県内各地を回っている社会貢献班ですが、埼玉で好きな(おすすめしたい)場所はありますか?」
遥か遠くだと思っていた秩父地方が身近な場所になりました。秩父の緑濃い山々と清々しい空気は別格。秩父屋台囃子や伝統工芸の銘仙、狩猟体験を提供する現代のマタギなど、故きを温ねて新しきを知る機運があります。地元の方たちだけでなく、県外からの移住者が秩父の文化を担っていることも興味深いです。

 

【好きだった公演、思い出の公演】
ピナ・バウシュ&ヴッパタール舞踊団
『天地 TENCHI』

 

ヴッパタール舞踊団と国際共同制作した、ピナ・バウシュの『天地 TENCHI』です。劇場に入って1年目のかけだし制作だった頃の、初めての大きなダンス公演でした。作品のスケール感にも、ピナという偉大な振付家がそこにいるという事実にも、とにかく圧倒されたことを覚えています。

 


 

営業広報課(票券担当)Sさん

お仕事紹介9回目は、営業広報課で票券(チケット管理)業務を担うSさんからお話を伺いました。同じ会場での催事でも、販売しない席の設定や、どの場所をS席にするかなど、実際に販売する座席(チケット)は公演ごとに全く異なります。身近な存在ながら実は複雑に管理されている「チケット」、その舞台裏に迫りつつ、劇場での思い出の公演などを振り返っていただきました。

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
彩の国さいたま芸術劇場と埼玉会館で行う自主公演のチケットを販売するために専用システムへの入力、券面の作成、プレイガイドへの配券、精算、売上管理など、チケット管理全般に関する業務をしています。チケットを取扱うため、落ち着いて仕事をするように心掛けています。ダブルチェックが必須な仕事です。
私は主に演劇と舞踊公演を担当しています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
チケットが完売し満員の客席を見た時。お客様が楽しんでいただけたときはとても幸せな気持ちになります。

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
チケット券面の作成が好きです。文字数制限があり苦戦することもありますが、見やすく分りやすい券面作成を心掛けています。今年6月に新チケットシステムを導入し、いよいよ当劇場も9月開催の埼玉会館ランチタイム・コンサートから電子チケットが導入されます(紙チケットも健在です)。

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
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――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
23年間続いた彩の国シェイクスピア・シリーズ最終作となった『終わりよければすべてよし』。
今まで上演されたシェイクスピア・シリーズが走馬灯のように思い出されとても感慨深かったです。またコロナ禍で行われた公演でもあり、試行錯誤しながら取り組んだ思い出の公演です。

 

――前の方(企画・地域振興課Hさん)からの質問です。
「仕事をしていてテンション爆上がりになる瞬間はどんなときですか?」
見ていたドラマの撮影が劇場で行われたときです。
撮影の裏側が見られてテンション上がりました!

 

【思い出の公演】
彩の国シェイクスピア・シリーズ第14弾
『お気に召すまま』

 

この劇場に勤める前、一般のお客さんとして初めて観劇した公演。初めてみたシェイクスピア劇に驚き、感動した覚えがあります。後に自分がシェイクスピア公演のチケットを販売することになるとは。過去の自分に教えてあげたいですね。

 

 

【劇場の中で好きな場所】
小ホール

 

すり鉢状の客席とコンクリート打ち放しのモダンなホールで好きです。
舞台も可変式になっていて、昨年まで落語も小ホールで公演していました。演出によって様々な表情を見せてくれます。

 


 

企画・地域振興課 Hさん

お仕事紹介8回目は、企画・地域振興課のHさん。劇場で働くメンバーには、埼玉県から派遣されている職員もいますが、一度目は企画制作課(音楽担当)として、そして二度目となる現在は企画・地域振興課として劇場に勤務するHさんに、それぞれの業務を通して感じる劇場への思いなどを聞きました。

 

 

―普段はどのような仕事をしていますか?
公演の鑑賞や練習室などを借りにくるお客様だけではなく、地域の方々に気軽に立ち寄ってもらえるような、賑わいがあり、より親しみを感じてもらえるような劇場にしていくための仕事をしています。休館前は、ストリートピアノや地元中学生の職場体験の受入れ、いまはリニューアルオープンに向けての準備として、レストラン等の誘致やカフェ前ガーデンの整備などをしています。

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
彩の国さいたま芸術劇場は、令和6年10月15日に開館30周年を迎えます。来年はリニューアルオープンと開館30周年のダブルの記念の年で、新たなスタートを切る年になります。そのため1年間を通じて記念の企画を実施する予定ですが、その準備のとりまとめ的な仕事もしています。どんなことをするかはまだ言えません(笑)。発表までもうしばらくお待ちください。

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
音楽担当時代、室内楽の公演で舞台スタッフの手伝いをしたときのこと。短い曲間で椅子などの配置を変えるのですが、この作業中に緊張で移動させる場所が分からなくなり、椅子と譜面台を抱えたまま、一人舞台上で右往左往。あまりにアタフタしていたので観客から失笑がこぼれたのを覚えています。観客で来ていた親族が、恥ずかしくて帰りたくなった、と言っていたのを後々聞きました。舞台スタッフのすごさを実感した出来事でもありました。なお、それ以来、人手が足りなくても手伝いを要請されることは無かったです(笑)。

 

――前の方(制作技術課(音響担当)Oさん)からの質問です。
「与野本町の良いところをあげてください。」
難しい質問をしますね(笑)。色々ありすぎて答えるのが難しい、ってことではダメですか(汗)?
一番は、街が穏やかなところですかね。平和を愛する穏やかな人間なので、与野本町は落ち着きます(笑)。

 

【好きだった公演、思い出の公演】
最初は音楽的な素養がないにもかかわらず音楽の制作担当をしていました。クラシック音楽の良さが全く分からないまま仕事をしていたのですが、半年近く経過し、この公演のリハーサルを聴いたときに突然リズムやメロディーが心地よく感じられたのです。それ以来クラシック好きです。もちろん良い音響の劇場で、ライブで聴いたということもあるのでしょうが、不変的に良いものはだれにとっても良いものなのだと分かりました。そんなきっかけの公演で、特に思い出に残っています。

 

【劇場の中で好きな場所】
音楽公演の担当をしていたので、音楽ホールが好きです。ホールやホワイエも温かみのある雰囲気で、穏やかな与野本町の中でも一番穏やかな場所なんじゃないでしょうか。他のホールと違い、一つ一つのデザインが異なる個性的な椅子が音楽ホールにだけあります。公演の鑑賞だけでなく、この椅子たちにも会いに来ていただきたいと思います。

 

 

 


 

 制作技術課(音響担当)Oさん

お仕事紹介7回目は、舞台上で流れる音響や映像にかかる技術全般に加え、各種機材やピアノのメンテナンスも担う、劇場における「音」のスペシャリストOさんからお話を聞きました。

 

―普段はどのような仕事をしていますか?
劇場の音響、映像に関わる全般を担当しています。
自主企画、貸館ともに、打ち合わせから本番まで担当します。
それ以外にも劇場の機材管理、営繕・改修工事の打ち合わせ、さらにはピアノの保守・管理など、より良い劇場にするため頑張っています。

 

―劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
公演の本番中に心にグッとくる瞬間が好きです。
…が、実は公演打ち合わせでお客さんと話をしている時間が割と好きです。相手の気持ちを理解できた時や、こちらが何をできるか考えている時にやりがいを感じます。何事も準備を丁寧にすることが大事だと思います。

 

―ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?
作品を作る時に、我々は時間をかけてプランし、リハーサルなども重ねて理解を深めるのですが、観にくるお客様は初見・一期一会だということ。
いつでも客観的な目線を持つよう自分の感覚を保っています。

 

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。

本番中に大変なゲリラ豪雨があり、劇場は大騒ぎだったのですが終演時にはピタッと止んで、虹が出ていました。

 

 

――前の方(営業広報課 Hさん)からの質問です。
「突然ですが、得意技はなんですか?」

仕事と全然関係ないですが料理が好きです。
中華と和食は得意です。

 

 

【愛用している仕事道具】
iPad。劇場の音響、映像機材をコレでコントロールしています。電子台本としても利用します。

 

【好きだった公演、思い出の公演】
テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ『うつくしいまち』
音楽の即興演奏とその場で美術を描き上げていく楽しく美しい作品でした。

 


 

 営業広報課(広報誌担当)Hさん

お仕事紹介6回目は、財団情報誌「埼玉アーツシアター通信(通称ATP)」やホームページ、劇場での展示などにも関わる営業広報課(広報誌担当)のHさんにお話を聞きました。

 

 

―普段はどのような仕事をしていますか?
財団情報誌「埼玉アーツシアター通信」を作成する仕事をメインでしています。
ひとりで作っているわけではなく、各セクションの担当者に載せたい公演やお知らせしたいことを聞いたり、外部の編集さん・ライターさん・カメラマンさんやデザイナーさんにご相談したりして1冊を創り上げるための「窓口」役です。

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?

舞台芸術は自分の好きな部分を集中して観たり聴いたり、見つけたり、人によってポイントが違うのも醍醐味です。
が、情報誌では各担当の絶対ココを観てもらいたい!!おすすめしたい!!という推し部分をお客様にお届けするには、インタビュー等どのような企画や形式が良いのかを色々な方と話し合うようにしています。

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
公演に関するホームページ作成も担当してます。情報誌の発行と同時にホームページを公開することが多いのですが、ときには○月○日○時解禁!取り扱い注意!ということもありドキドキします。(実はこのページも更新しています。)
公演当日には、スムーズな入場ができるようお客様のご案内もしています。お客様の反応を直接うかがえるのでありがたいです。

 

――劇場で働く中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
2016年の開館記念日には、2代目・彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督発表や多くのイベントがありました。
大稽古場(NINAGAWA STUDIO)では、「NINAGAWA STUDIO 蜷川幸雄の稽古場」と題した展示を企画し、お客様に1日だけ公開しました。いままで蜷川さんの舞台を作ってきたスタッフの皆さんに思い出話を聞き、プロの技術を感じながら一緒に展示作業でき、とても感動しました。

――前の方(技術計画課 Wさん)からの質問です。
「どうして劇場で働きたい! と思ったのでしょうか?」
以前はIT系の会社で顧客回りをしていました。そのとき出会う方から聞く、様々な業種のお仕事の話が楽しくて。自分の好きなこととは何かを考えたとき、舞台を観ることが好きだったので、一度仕事としてトライしてみようと思いました。また、地元が埼玉で、かねてから、素敵なさい芸の建物の中で働きたいと思っていたことも理由のひとつです。

 

【愛用している仕事道具】
ATP1号~104号(最新号)。前任者から引き継いで、以前はどのように紹介していたかな?と見返していたらボロボロに。各担当とイメージを共有するときにも使っています。
赤ペン3本。…本数に意味はありません。…校正の鬼だからでもありません。机上がすぐとっ散らかって遭難するので、その場で捜索せずに2本目をすぐ繰り出します。

 


 

  技術計画課 Wさん

お仕事紹介の5回目は、彩の国さいたま芸術劇場を安全・快適に保つ「施設管理」、そして現在まさに進行中の大規模改修工事の各種調整などを担うWさんにお話を聞きました。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
劇場施設全般を管理する仕事をしています。具体的には、空調や電気設備などの舞台設備以外の保守、清掃や警備などの業務委託の管理、不良個所の修繕などです。大規模改修工事が始まってからは、工事側と劇場側の調整をしています。

 

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?
業者さんや業務委託の方と一緒に仕事をする機会が多いので、できる限り丁寧に接して、劇場に良い印象を持っていただけるように心がけています。仕事以外では劇場のお客様になりますので。

 

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
防災関係も担当していますので、消防訓練のシナリオを作ったり、当日の進行をしたりしています。
毎回かなり苦労しているので、舞台を作られている方を本当に尊敬します。

 

 

 

――前の方(総務課Nさん)からの質問です。
「この劇場のエモいところはどこですか?」

王道ですと、やはり光の庭はエモいです。晴れの日はもちろん、雨の日や雪の日も最高にエモいです。
個人的には小ホールホワイエの回転金扉が色々とエモくて大好きです(急にゴージャスな色味、リベットと金属板の接合感、回るには大きすぎるサイズ感等々)。

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?

ちょっと違うかもしれませんが、劇場がドラマで使われていた時期があったので、その撮影を見たり、テレビに映る劇場を見るのが楽しかったです。公演ですと鑑賞しただけですが、ディミトリス・パパイオアヌー『TRANSVERSE ORIENTATION』が衝撃的でした。

 

 

 

 

【劇場の中で好きな場所】
大ホールの屋上です(劇場で一番高い所)。避雷針とアンテナがあるのでたまに行きますが、とても景色がよいです。

 

 

 

 

 


 

  総務課 Nさん

お仕事紹介4回目は、お客様から直接顔が見える機会は多くありませんが、劇場の運営においてとても重要な役割を担っている総務課より、Nさんにお話を聞きました。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
劇場のお金を管理すること。
あとは、皆がやりたがらないけど、誰かがやらなければならない雑多なお仕事たちと、あらゆる人たちからの無理難題に応えるため日々奮闘しています。

 

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
劇場のお財布を握っているところですね。総務の言うことを聞かない人には、お給料を支払いません……っていうのは冗談ですが(笑)。
総務担当は、働いている職員や劇場で行われる公演全てに何らかの形で携わっています。それはお金の支払いだったり、ルールを定めることだったりと、目立たず、「縁の下の力持ち」的な仕事が多いですが、この劇場のあらゆる人・モノ・コトに携われることが、この仕事の魅力だと思います。

 

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
お金を数えている時。お金好きなので(笑)。

 

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。
財団の命運を握る「理事会・評議員会」に関する業務でしょうか。
民間の会社だと「株主総会」に近いものかと思いますが、ここで支援者の皆様にご理解・ご支援をいただくことも重要です。資料作成や色々な調整など一生懸命やっています。

 

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?
電卓です。特注品を使っています……嘘です、普通のカシオです(笑)。
ただM+とかM-のボタンを使いこなしています。あと、打つのがめちゃくちゃ早いです。

 

 

――前の方(企画制作課(演劇担当)Mさん)からの質問です。
「子どもの頃、算数は得意でしたか?」
苦手でした。今も苦手です。

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?

 

彩の国シェイクスピア・シリーズ第15弾
『間違いの喜劇』

 

劇場で働き始めてすぐ上演された公演で、創作現場を見学したこともあり印象に残っています。

 

「彩の国さいたま芸術劇場 オープンシアター
『ダンスのある星に生まれて2021』」

 

地域の皆さんが楽しんでくださった企画。自分も家族と一緒に劇場空間を楽しむことができました!

 

愛用している仕事道具】

この指がないとお支払いとかできませんから(静脈認証です!)。
だからこの指、丁重に扱ってください。

 

 


 

 企画制作課(演劇担当)Mさん

お仕事紹介の3回目は、彩の国さいたま芸術劇場で、演劇公演の企画制作業務を担うMさんにお話を聞きました。蜷川幸雄前芸術監督とのエピソードなども盛り込んでお届けします。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?
演劇事業の予算管理・広報宣伝素材の作成・各種打ち合わせや取材の調整・ツアーのためのホテルや交通機関などの手配・けが人が出たときの病院の手配・各セクションの買い出しの手伝い・公演終了後の精算・助成金の申請書や実績報告書の作成・次年度以降の事業の準備など。演劇公演で言えば、舞台上に“ある”ものが出演者やスタッフのみなさんの仕事なら、“ない”ものに全般的に関わっています。

 

 

 

――具体的に好きな仕事内容があれば教えてください。
チラシのアイデアを考えるのは楽しいです。が、稽古場で具体的に動き出す前の作業なので、どんな作品になるかわからないなかで考える難しさはあります。さいたまネクスト・シアターの『カリギュラ』は、蜷川さんの思い入れのある戯曲だっただけに、最後まで蜷川さんの想いとのズレを埋められなかったように感じています。

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
カーテンコールで出演者や観客のみなさんの顔を見るとき。このために準備をして来たのだと感じます。その顔が満足そうであれそうでなさそうであれ、劇場に人がいて、作品から自由に何かを感じたり考えたりできる環境があることが大事だと思っています。

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
さいたまネクスト・シアター第4回公演『2013年・蒼白の少年少女たちによる「オイディプス王」』のチラシはわりと良くできたかなと思っています。蜷川さんに「(ネクストが)かっこ良すぎるだろう」と言われましたが、チラシそのものも褒められたと解釈しました(笑)。

 

――最後に、前の方(利用調整課 Yさん)からの質問です。
「映画や本、音楽で好きなジャンルやおすすめの作品を教えてください。(正直に、でも、ちょっと格好つけて、でもどちらでも。)」
なぜかわからないですけど、古い作品が好きです。ビートルズもいつまで経っても飽きない。通勤時間にちょうどいいこともあり、『Abbey Road』の「Because」からのメドレーはよく聴きます。「Mean Mr. Mustard」「Polythene Pam」「She Came In Through the Bathroom Window」の流れが特に好き。映画は…文字数

 


 

 利用調整課 Yさん

お仕事紹介の2回目は彩の国さいたま芸術劇場でホールや稽古場など、施設の貸出業務を担うYさんにお話を聞きました。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?

施設の貸出の仕事(「貸館(かしかん)」と呼びます)をしています。劇場には4つのホールに加え、6つの稽古場と6つの練習室、そしてガレリアなどの共通スペースがあります。それらの施設の予約受付から利用当日までの業務全般を担当しています。
ときには、地域の小学校の施設見学で劇場内をご案内することもあります。

 

 

 

――ご自身の仕事内容のなかで、こだわっていることはありますか?

利用者のご負担が少しでも軽くなるように心がけています。劇場を利用する方の中には、他のホールや施設の利用経験がある方もいらっしゃいます。利用方法は施設ごとに異なりますし、事務手続きは煩雑です。ご利用の内容を把握し理解して、お客様の物理的、精神的なご負担を減らせたら、と思っています。

 

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。

コロナ禍では、稽古場・練習室でお客様が入れ替わる際には、ご利用後の椅子や譜面台、ピアノの消毒作業を行っています(それぞれ決められた方法で行います)。
コロナに関わらずホールについては、貸館ご利用後の楽屋・客席・ホワイエの最終確認は、備品の数が合っているかも含めて、私たちで行っています。

 

 

――前の方(制作技術課Sさん)からの質問です。
「仕事をしていて、一番怒られたことは何ですか?」

難しい質問ですね…(笑)。屏風のサイズについてお問合せを受け、張り切って詳細に伝えたところ、かえってよく分からないと言われてしまったことがあります。
自分が尋ねるのが下手で先に調べておきたいタイプなので、お伝えするときも情報過多になりがちです。言うべきか、言い過ぎかの塩梅をいつも悩んでいます。

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?

同じ苗字のお客さまが主催された音楽教室の発表会。「同じ〇〇ですね、よろしく」と言っていただき、連帯感を覚えました。初めての演奏会や公演の会場に当劇場をお選びくださった方の舞台も思い出深いです。上演されたものでは、自分の生活や経験の中では知りえないことが目の前の舞台で展開された作品が、印象に残っています。

 

 

【劇場の中で好きな場所】
雨や雪の日の光の庭。他にも大ホールホワイエ2F(西側)からの景色。晴れた日は秩父や奥多摩の山々が見えることを、お客さまから教えていただきました。また大階段上からの景色。さいたま新都心のビル群が一望できて爽快です。
劇場にご来場のみなさまの「好きな場所」も、ぜひ教えてください。


 

 制作技術課(照明担当)Sさん

新企画の記念すべき1回目は、彩の国さいたま芸術劇場で舞台の照明にまつわるあらゆる業務を担う、照明のスペシャリストSさんにお話を聞きました。

 

 

――普段はどのような仕事をしていますか?

舞台の照明に携わる仕事をしています。
お芝居など公演の担当になった場合、稽古を見ることから始まります。その後、公演に合った照明効果を表現するために必要な機材などを考え、図面を書くなどの準備作業を行います。
ホールに入ってからは、各セクションのスタッフと連携をとり、より良い公演ができるよう頑張っています。

 

 

――劇場で働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?

公演の担当になった時。特に一番最初の本番(初日)が無事終わった時や、お客様が「いい公演だったね」と客席で話しているのを聞いた時です。

 

 

――「こんなことまでやっているの!?」という、意外な仕事内容があれば教えてください。

機材のメンテナンスや、劇場のライトアップ作業など、照明に関わる仕事は舞台にかかわらずやっています。

 

 

――私生活においてこれは職業病だなと感じることがあれば教えてください。

テーマパークのアトラクションや、お客さんとして行ったお芝居などで、どんな照明が使われているのか、天井の方ばかり見てしまうこと。
綺麗な夕焼けや、夜空など、舞台で表現するために写真を撮りまくること。

 

 

 

 

――劇場で上演されたもので好きだった公演、思い出の公演は何ですか?
彩の国シェイクスピア・シリーズ番外編『ロミオとジュリエット』
ワークショップ公演『ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ 或いは、泡ニナル風景』
フィリップ・ドゥクフレ カンパニー DCA『CONTACT-コンタクト』などなど

 

 

【愛用している仕事道具】
この道具たちがないと仕事になりません

 

 

【劇場の中で好きな場所】
シンボルタワー
一番上からの景色