彩の国シネマスタジオ 埼玉会館上映会
『スペシャルズ！政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』

フランスで年間興行ランキングNo.1を獲得し、日本でも異例の大ヒットを記録した『最強のふたり』(2011年)。世界を笑いと涙で元気にしたエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのふたりの監督が、歴史的に前例のない“今”を生き抜く私たちを応援するために、待ちに待った作品を届けてくれた。フランスで公開されるや、動員数200万人を突破。スペインのサンセバスチャン映画祭で観客賞に輝き、セザール賞では9部門にノミネートされた。

ヨーロッパ各国で熱狂的に愛された本作の主人公ブリュノとマリクも、実在するふたりの男たちがモデルだ。今から20数年前、駆け出しの監督だったトレダノとナカシュが、既に活動を始めていたふたりに出会って深い感銘を受け、「いつか必ず映画にする」と誓った。

ブリュノは、各所で見放された自閉症の青少年を支援する団体〈正義の声〉を運営。一方、その〈正義の声〉で働くのは、ブリュノの友人のマリクが運営する団体〈寄港〉で教育されたドロップアウトした若者たち。〈無認可・赤字経営・閉鎖の危機〉の施設で、問題を抱えた子供たちを救うふたり。見た目はコワモテだが、合言葉は「何とかする」、トレードマークは「笑顔」だ。居場所のない子供たちに、チャンスをつかませようと導く二人の男たちの姿には胸が熱くなる。

そして、実在する名もなき英雄たちが未来を照らす物語を、フランスの名優が心を込めて紡いでいく。ブリュノを演じるのはヴァンサン・カッセル。『たかが世界の終わり』でセザール賞にノミネートされた、フランスの名優だ。トガったキャラクターが多かったカッセルが、愛情深い人間性を滲ませて、観る者の心にも温かな灯をともしてくれる。そして、ブリュノと手を組むマリクにはレダ・カテブ。彼も『ヒポクラテスの子供達』でセザール賞を受賞し、『ゼロ・ダーク・サーティ』でも評価された優れた俳優である。

本作で描かれる数々のエピソードは、人と人のつながりが分断され、様々な価値観が再構築されようとしているこの時代において、我々の胸を強く揺さぶり、優しい衝動を呼び覚ましてくれるだろう。

なぜ、そこまで他人のために奔走するのか？

『最強のふたり』の監督が贈る〈最強を超えた〉実話に基づく感動作に注目！

あらすじ

ブリュノは今日も朝から大忙し。自閉症の青少年を支援する団体〈正義の声〉を運営しているのだが、どんな問題を抱えていても断らないために、各所で見放された子供たちで施設はいつもいっぱいだ。〈正義の声〉で働くのは、ブリュノの友人のマリクが運営する団体〈寄港〉で教育されたドロップアウトした若者たち。黙っていればコワモテのふたりだが、「何とかする」の口癖と大きく包み込む笑顔で、社会からはじかれた子供たちを、まとめて救おうとしているのだ。その成果は現れ、最悪の問題児だったディランと、最も重症のヴァランタンの間に、絆が芽生えようとしていた。

ところが、施設に監査局の調査が入ることになり、無認可・赤字経営の〈正義の声〉に監査が入ることになり、閉鎖の危機に迫られる。赤字経営で無認可、法律の順守より子供たちの幸せを最優先するブリュノの施設は、役人に叩かれれば山のように埃が出る状態だった。

調査員の調査が進む中、ディランが目を離した隙にヴァランタンが失踪するという事件が起きてしまう─。ヴァランタンはどこへ消えたのか？ そして施設はこのまま閉鎖に追い込まれるのか？ 救いの手が必要な子供たちの未来は─？

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