埼玉会館

シネマ・イベント

彩の国シネマスタジオ 埼玉会館上映会
『INCENDIES/灼熱の魂 デジタル・リマスター版』

2023年2月
 16日(木)10:30/14:30/18:30

 

 

※18:30の回は、新型コロナ感染症拡大の状況により、上映中止となる場合がございます。来場前に電話またはホームページ等でご確認ください。

 

【問い合わせ先】 埼玉映画ネットワーク048-762-9407

 

※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制

 

 

監督・脚本を手掛けたドゥニ・ヴィルヌーヴは、『DUNE/デューン 砂の惑星』『ブレードランナー2049』『メッセージ』などの作品でハリウッドで最も注目される監督のひとりです。この『灼熱の魂』は2011年に公開されるや、彼の存在を世界に知らしめた衝撃作となり出世作になりました。今回はデジタル・リマスター版としてスクリーンに甦ります。

彼はこの作品で、カナダのアカデミー賞たるジニー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など8部門を独占し、米国アカデミー賞の最優秀外国語映画賞にノミネートされました。

原作はレバノン出身でカナダ・ケベック在住の劇作家ワジディ・ムアワッドの”Incendies”で、カナダ、フランス、アメリカ、日本などの世界各国で上演された戯曲です。ケベックのとても小さな劇場で千秋楽のチケットをぎりぎりになって手に入れたドゥニ・ヴィルヌーヴは、初めて『地獄の黙示録』を見た時と同じ印象を受け、ただ驚いたと言います。まるで顎に強烈なパンチを受けたような衝撃で、膝を震わせながら劇場から出ることになり、すぐに自分がこの作品を映画化するのだと確信したそうです。

主人公の死から始まる驚くべきこの物語は、カナダから中東へと舞台を移しながら、現在と過去を行き来するストーリーとして展開されます。1970年代半ばのレバノン内戦に想を得てはいますが、劇中では特定の国名は伏せられています。民族や宗教間の抗争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中に吞み込まれていったヒロインの魂の旅を映像化しています。その痛切にして苛烈を極めた物語は、さながらギリシャ悲劇やシェイクスピア悲劇にも比肩しうる衝撃性と深みを宿し、あらゆる観客が言葉を失い、胸を裂かれるほどの圧倒的なインパクトがみなぎっていると言えるでしょう。

主人公ナワル・マルワンという母親の物語は、舞台劇が原作とは思えないほどダイナミックな映像と、この上なくち密に練り上げられたミステリー仕立ての構成によって語られていきます。現代のパートでは、母親の真意不明の遺言に心掻き乱された若い姉弟ジャンヌとシモンが中東の紛争の生々しいい傷跡が残る異国の地で母親の歩みをたどっていきます。また、回想のパートでは、異教徒の恋人との間にもうけた赤ん坊と離れ離れになったナワルの若き日のエピソードが展開されます。

こうした現在と過去の二つのパートを通してあぶりだされるのは、あまりにも思い十字架を背負ったひとりの母親の肖像でした。そして、パズルの全てのピースが揃うクライマックスでは、ついに謎が明らかになっていきます。登場人物が秘密を解いていくミステリー調の映画は数ありますが、これほどまでに恐ろしい真実が最後に待ち受ける物語は滅多にないでしょう。しかし、その真実は、果てしない憎悪と暴力の連鎖を断ち切ろうとした主人公ナワルのかけがいのない祈りをはらみ、観る者の心を震わせずにはおかないのです。いくら体をずたずたに傷つけられ、魂を焼き尽くされようとも、美しき我が子たちへの”約束”を果たそうとした、一人の母親の崇高なる愛の軌跡を目撃することになるでしょう。

そして『灼熱の魂』に並々ならぬ迫真性を吹き込んだのは、主演のベルギー人女優ルブナ・アバザルです。彼女はこの作品でカナダ版アカデミー賞であるジニー賞、ケベック版アカデミー賞のジュトラ賞、バンクーバー国際映画祭カナダ映画部門の3つの映画祭で主演女優賞に輝きました。その強靭な母性のすごみを体現した傑出した演技は観る者を圧倒します。

心震わす至高のヒューマン・ミステリー!ぜひご覧ください。

 

あらすじ

それはあまりに突然で奇妙な出来事だった。若き双子のカナダ人姉弟ジャンヌとシモンの母親ナワル・マルワンが、ある日プールサイドで原因不明の放心状態に陥り、入院後しばらくして息絶えてしまったのだ。さらに姉弟を驚かせたのは、ナワルを長年秘書として雇っていた公証人のレベルが読み上げた遺言の内容だった。

ルベルはナワルから預かっていた二通の手紙を差し出す。それはジャンヌとシモンの父親、兄にそれぞれてられたものだった。今どこにいるのかわからない彼らを捜し出し、その手紙を渡しなさいというのが母の遺言だった。しかし兄の存在などまったくの初耳で、父はとうの昔に死んだと思い込んでいた姉弟は困惑を隠せない。

シモンは生前に自分に心を開いてくれなかった母の遺言を「イカれてる!」と吐き捨てる。一方、ジャンヌは遺言の真意を知るために、はるか遠い中東にある母の祖国を訪ねることを決意したのだった。しかし、母のルーツを探る手掛かりは、若き日の彼女の写真1枚だけだった。カナダを発ち、初めて母の祖国に降り立ったジャンヌ。母の足跡をたどるうちに、ついに母ナワルについて重い口を開く老人に行き着くのだが・・・・・・・・。

公演インフォメーション

日時

2023年2月
16日(木)10:30/14:30/18:30

※18:30の回は、上映中止となる場合がございます。来場前に電話またはホームページ等でご確認ください。

会場

埼玉会館 小ホール

作品情報

【監督・脚本】 ドゥニ・ヴィルヌーヴ

【原作戯曲作者】 ワジディ・ムアワッド

【出 演】 ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マキシム・ゴーデッド、レミー・ジラールほか

 

    (2010年/カナダ・フランス/131分)

主催

特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク

提携

埼玉会館

必ずお読みください

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チケットインフォメーション

料金
(税込)

【全席自由】

一般1,100円/小中高生550円*(何れも税込)

※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制

*学生証を確認する場合がございます。

 

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