Vol.111
2024年10月号
彩の国さいたま芸術劇場
2020年4月
1日(水) 10:30(〜終14:10)/16:00(〜終19:40)
2日(木) 10:30(〜終14:10)/16:00(〜終19:40)
3日(金) 10:30(〜終14:10)/16:00(〜終19:40)
4日(土) 10:30(〜終14:10)/16:00(〜終19:40)
5日(日) 10:30(〜終14:10)/16:00(〜終19:40)
【特別興行料金となります】
●特別料金(一律) 2,000円(税込)
●回数券使用の場合 2枚で1人入場可
●特別興行につき、招待券利用不可
●スタンプカードへの作品名の押印は行います。
※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制
※全日程1日2回上映。上映は2部構成で途中休憩あり。
ニューヨーク有数の観光スポットにして世界中の図書館員の憧れの的
世界最大級の<知の殿堂>
この図書館が世界で最も有名である<理由>を通して見える
公共とは何か
アメリカ社会を支える民主主義とは何か
巨匠フレデリック・ワイズマンの傑作ドキュメンタリー。
観光客は決して立ち入れない、その舞台裏へ!
本作の主役は、荘厳な19世紀初頭のボザール様式の建築で知られ、本館と92の分館に6000万点のコレクションを誇る世界最大級の<知の殿堂>ニューヨーク公共図書館だ。この図書館は、研究者のみならず地域住民への徹底的なサービスでも知られている。作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラー、トム・ウルフ、画家アンディ・ウォーホルなど文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきた一方で、世界有数のコレクションを誇りながら”敷居の低さ”も世界一といえるほど、ニューヨーク市民の生活に密着した存在でもある。その活動は「これが、図書館の仕事?!」と私たちの固定観念を打ち壊し、驚かす。
映画には、リチャード・ドーキンス博士、エルヴィス・コステロやパティ・スミスなど著名人も多数登場するが、カメラは図書館の内側の、観光客は決して立ち入れない STAFF ONLYの舞台裏を見せていく。
監督のフレデリック・ワイズマンは、2016年にアカデミー名誉賞を受賞したドキュメンタリーの巨匠だが、1967年の第1作以来89歳となる現在に至るまで1年〜1年半に1本のペースで作品を発表している”生ける伝説”だ。本作でも神業のような編集により、図書館の現実を浮き彫りにするとともに、図書館に集う多種多様な民族を映し出し、必然的にアメリカが現在置かれている状況を明らかにしている。その一方で、図書館の厳粛なイメージを覆すいくつもの楽しげな場面が織り込まれ、どの人物もどのストーリーも均等に扱い、その場所で行われている日々の営みについての印象を観客に与える。
ニューヨーク公共図書館を通して、「公共とは何か」、「アメリカ社会を支える民主主義とは何か」を伝えていくワイズマンだが、「図書館は民主主義の柱だ」という映画の中の発言が大げさではという指摘に対して、「この映画に取り掛かるまで、図書館の活動がこれほど広範囲に及ぶものだとは思ってもみなかった。図書館で12週間過ごした結論としては・・・・僕にとって、ニューヨーク公共図書館は民主主義の実例であり、アメリカの最も優れた一面の象徴なんだ」と答え、本作はまさにその言葉を明らかにしている作品といえるだろう。
デジタル化による本離れが加速し、「未来に図書館は必要ない」という意見さえ聞かれる現代に、「彼らは図書館の進化を知らない」と映画の中の登場人物に語らせるワイズマンは、図書館の未来が重要な意味を持つことを知らしめる作品を完成した。3時間超の作品だが、「途方もないほど贅沢な3時間 ワイズマンの叙事詩にあなたは幸福の涙を流すだろう」(タイムアウト)、「3時間余りを過ごすための贅沢な方法がここにある」(ヴァラエティ)と評されている必見の傑作ドキュメンタリーが「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」だ!
ニューヨーク公共図書館( New York Public Library )は、マンハッタン、五番街と42丁目との交差点に位置し、荘厳なボザール様式建築によって観光名所としても名高い本館を含む、研究目的のために公開されている4つの研究図書館、そして地域に密着した88の分館を合わせた92の図書館のネットワークである。
名称に「パブリック(Public)」と入っているが、独立法人であり、財政基盤は市の出資と民間の寄付によって成り立っている。ここでいう「パブリック」とは「公立」という意味ではなく、「公共」(一般公衆に対して開かれた)という意味であり、利用は原則無料、ニューヨーク市に在住あるいは勤務している者であれば誰でも会員になることができる。
本作では、この<世界で最も有名な図書館>の内部にカメラが入り込み、その舞台裏が映し出されていく。
読書会/親子で参加する読み聞かせ教室/点字の指導や録音本の収録/音楽、朗読、手話表現など様々なライブ公演を行う舞台芸術図書館/トーク企画/シニアのダンス教室のほか、
子供たちを対象にした教育プログラムやロボット製作のイノベーション・ラボ/高校生を対象にした課外授業/デジタル社会に人々が取り残されないようにするネット環境の整備支援やパソコン講座/就職支援活動プログラムの実施/障碍者のための住宅手配サービス/ディナーパーティー/ウェディング/ファッションショー・・・・
という驚くほど幅広い活動がある一方で
図書館の資料や活動に誇りを持って働く司書やボランティア/舞台裏のハイライトとも言える幹部達の会議
など図書館を取り巻く人々の姿も映し出される。
幹部会議では、公民協働のこの図書館がいかに予算を確保するのか、いかにしてデジタル革命に適応していくのか、ベストセラーをとるのか残すべき本をとるのか、紙の本か電子本か、ホームレスの問題にいかに向き合うのか、など丁々発止の意見のやりとりがあり、目が離せない!
そこでは、われわれの想像を超えた、図書館の固定観念を打ち破る「ニューヨーク公共図書館」の日常が展開されていく・・・・
上映日時 | 2020年4月 ※途中休憩あり。 |
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会場 | 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール |
作品情報 | 【監督・録音・編集・製作】 フレデリック・ワイズマン
(2017年/アメリカ/205分)
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主催 | 特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク |
提携 | 彩の国さいたま芸術劇場 |
料金 (税込) |
【全席自由】 【特別興行料金】 ※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制 |
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