彩の国さいたま芸術劇場

シネマ・イベント

彩の国シネマスタジオ
『12か月の未来図』

2020年1月
 15日(10:30/14:30
 16日() 10:30/14:30
 17日(金) 10:30/14:30
 18日(土) 10:30/14:30/18:00
 19日(日) 10:30/14:30

※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制

 

 

そのとき、人生に光が差し込んだ。僕たちの一期一会。

 

パリ郊外・・・移民、貧困、学力低下。

 

問題を抱える生徒たちと、

エリート校から赴任したてのベテラン教師。

 

ぶつかって、裏切って、だけど信じ続けて・・・。

 

フランスの美しい四季を背景に描く、

ある教室の一年間の物語。

 

 

 移民問題で揺れるフランスが直面する大きな社会問題が、移民の子供たちが直面する学力低下と教育の不平等だ。貧困層や移民の子供たちの教育問題をとりあげたフランス映画はこれまでも多数製作されてきた。繰り返し問題提起されるほど根深い教育問題に新たな視点で取り組んだのが、『12か月の未来図』だ。

 

 監督のオリヴィエ・アヤシュ=ヴィダルは、本作の取材のために中学校に2年間”登校”し、500名の生徒や40名の教師と学校生活を送った。子供たちとふれあう一方で、問題を起こした生徒の処分を決定する学校評議会や職員会議などにも参加し、学校の表と裏を丹念に調べ上げて本作に注ぎ込んでいる。彼は映画監督になる前はフォトジャーナリストとして世界中を飛び回っていた経歴を持つだけに、そこで鍛えられた観察眼を駆使して取材時に知り合った子供たちの苦しみと未来への夢をすくい上げ、脚本化した。

 そして、本作では、その子供たちに自分自身を演じさせたのだ。演技初体験の子供たちがカメラを意識せずに演技に集中できたのは、監督が学校で費やした2年間の準備期間=信頼関係と9か月に及ぶ撮影期間によるところが大きい。

 また、主人公の教師フランソワを演じるのは、フランスが誇る劇団「コメディ・フランセーゼ」の正座員のドゥニ・ポダリデス。ブルジョア出身らしく感情は控えめで知的なフランソワを、生徒にいじられてしまう人間味のあるキャラクターに味付けしたのは、主に舞台で活躍するベテラン俳優兼演出家で『サガン 悲しみよこんにちは』などにも出演する名優である彼の演技力あってこそであろう。

 

『12か月の未来図』は、主人公の国語教師フランソワと劣等感の塊だった生徒たちが、教育の力で自信を取り戻し、新しい未来を自力でつかみ取ろうと模索するリアルな成長物語だが、教育問題という難しいテーマを扱いながら、いたずらっ子たちと堅物なフランソワの交流と成長がユーモアたっぷりに描かれる感動作なのである。

あらすじ

 フランスが誇る名門アンリ4世高校で国語を教えるベテラン教師のフランソワ・フーコー(ドゥニ・ポダリデス)。父は国民的作家、妹は彫金作家として活躍する知的なブルジョア一家に育ち、家庭も職場もブルジョアばかりという特殊環境に疑問も感じることなく生きてきた。

 

 ある夜、父の新刊サイン会で、ゲストに教育改革論を語ったことから、フランソワの未来が大きく変わっていくことに。なんと、パリ郊外の教育困難校のバルバラ中学校へ1年間派遣されることになったのだ。荒廃した町の光景に怯えながら、フランソワは赴任地先へ足を踏み入れるが、そこにいたのは、教師への敬意などなく大声でしゃべりつづける生徒と、問題児はさっさと退学させれば良いと軽蔑する若手教師だった。

 

 これまでエリート校でいわゆる”生粋のフランス人”を相手にしてきたフランソワにとって、様々なルーツを持つ生徒たちの名前を正確に読み上げるのも一苦労という状況の中、想像以上の問題の山とカルチャーショックに打ちのめされながらも、ベテラン教師の意地で問題児たちと格闘していくことになる。

 移民、貧困、保護者の無関心。不幸な環境の中で生きる彼らに、前任校と同じ指導は通用しないと悟ったフランソワは、生徒自身が自らの能力と未来を信じられるようにと意識改革を開始する。「勉強しても意味がない」と無力感の塊だった生徒たちは、やがてフランソワの熱意ある指導で知的好奇心と自信を取り戻すようになり、授業態度も成績も向上するなど、”フランソワ効果”が現れ始める。

 

 すべてが順調に動き出したある日、遠足で訪れたベルサイユ宮殿で、お調子者のクラスの問題児セドゥがトラブルを起こし、指導評議会で猶予なしの退学を宣告されてしまう。これまで感じたことのなかった使命感を感じたフランソワは、ベテラン教師のプライドにかけて、また良識ある大人として、大切な教え子の未来を守るために、事なかれ主義の校長たちとの闘いに挑むことに・・・・。

公演インフォメーション

上映日時

2020年1月
 15日(水) 10:30/14:30
 16日(木)
10:30/14:30
 17日(金) 10:30/14:30
 18日(土) 10:30/14:30/18:00
 19日(日) 10:30/14:30

会場

彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール

作品情報

【監督・脚本】 オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル

  【出 演】 ドゥニ・ポダリデス、レア・ドリュッケール ほか

   (2017年/フランス/107分)

主催

特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク

提携

彩の国さいたま芸術劇場

 

チケットインフォメーション

料金
(税込)

【全席自由】

 

一般1,100円/小中高生550円*(何れも税込)

※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制

*学生証を確認する場合がございます。

 

 

(注)10月から映画鑑賞の料金体系並びに鑑賞料金が変更となりました。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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※当日券はご予約いただけません。