彩の国さいたま芸術劇場

シネマ・イベント

彩の国シネマスタジオ
「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティブ『シャルルとリュシー』 」

2026年12月

 9日(水)10:30/14:30
 10日(木)10:30/14:30
 11日(金)10:30/14:30
 12日(土)10:30/14:30
 13日(日)10:30/14:30      

(1日2回、計10回上映)

 

※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制

◎12日(土)14:30の回終了後、アフターセミナー開催!

 

【問い合わせ先】埼玉映画ネットワーク 048-762-9407

 

破壊的喜劇闘争、開始!

不埒か革新か。残酷か大胆か。悲劇か楽天か——
ヌーヴェルヴァーグの周縁で見落とされたラディカル・シネアリスト/ネリー・カプランが、半世紀の時を超え、ようやく<発見>される!

1931年、アルゼンチンに生を受けたネリー・カプランは、フィルムアーキビストの国際会議のアルゼンチン代表としてフランスを訪れる。まもなく彼女は、フランス映画の名匠アベル・ガンスの知己を得、彼の映画制作に協力するようになる。オーソン・ウェルズやヴィットリオ・デ・シーカなど、気難しい出演者たちを手なずけるカプランに、ガンスは絶大な信頼を寄せ、彼女を共同脚本や共同編集者として起用していく。

やがてガンスと袂を分かったカプランは、小説家、批評家、ドキュメンタリー作家としてのキャリアを経て、長編劇映画作家の道を歩みはじめる。デビュー作『海賊のフィアンセ』(1969)はヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、かのパブロ・ピカソをして「芸術の域まで高められた尊大さ……ルイス・ブニュエルの最高傑作並みの作風だ」と言わしめた。たしかに、資本主義の成果物である「商品」をいたずらに消費し破壊するこの映画には、ブニュエル的なブルジョワジーへの嫌悪を見出せよう。

件のデビュー作以来、カプランは家父長的社会に激しく反抗する女性たちを描きつづけた。ところが当時、彼女の映画が正当な評価を受けていたとは言いがたい。原題や内容とは無縁の情欲的なローカライズタイトルが付され、商業的にはポルノ映画として消費されていた。カプランが描く女性登場人物にしばしば認められる、性的権力勾配を大胆に転覆せしめる奔放さは、ポルノへの志向性ではなく、むしろ現代的なエンパワーメントの文脈で再評価しうるものであることはいうまでもない。事実、2019年にはニューヨークでカプランのレトロスペクティヴが展開され、「(『海賊のフィアンセ』は)50年を経たいまでも、驚くほど新鮮」(ニューヨーク・タイムズ)などと各界から称賛の声が寄せられた。

ところでカプランの唯一性は、こうした教条主義に偏向するのではなく、あくまで映画を遊び心で満たそうとする、快活な演出にある。せわしなく動きつづける人々、無残に燃えあがる家屋、滑稽きわまりない乱闘、間抜けな公務員……カプランが描く奇抜で残酷で愉快な万華鏡的世界は、観る者を娯楽的にさえ興奮させよう。そして彼女が映画において快活に破壊し、転覆させてみせた数々の悪弊が、いまもなお威力を発している皮肉に、観者はふと気づくことになろう。彼女が描く残酷な世界は、まさに我々が生きるこの世界が残酷きわまりないものである事態の写し鏡にほかならない。

『シャルルとリュシー』は、特集上映「ネリーに気をつけろ! ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」(2025年)の一作。エリック・ロメールより数年早く「アレ」を画面に捉えた、スラップスティック・ロードムービー!カプランが占い師役で出演。 (他作品の上映はございません。)

 

* * *

ネリー・カプラン | Nelly Kaplan

1931年4月11日、ブエノスアイレス生まれ。ブエノスアイレス大学で経済学を学ぶも、映画への関心からパリへ。1954年、映画監督のアベル・ガンスと出会い、『マジラマ/戦争と平和』(57)を共同監督するなど協力関係を深めた。1969年に長編劇映画第1作となる『海賊のフィアンセ』が公開。以降、『パパ・プティ・バトー』(71)、『シビルの部屋』(76、日本公開は77年)、『シャルルとリュシー』(79)を発表。1991年に最後の監督作となった『愛の喜びは』が公開。2020年11月12日、新型コロナウイルスに罹患し、死去。

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「男性向けの映画など存在しない。女性向けの映画など存在しない。ただ映画が存在するだけだ。人が「女性向けの映画」と言うとき、それは既に軽蔑的なのだ」(ネリー・カプラン、1969)

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あらすじ

年老いた夫婦、シャルルとリュシーは慎ましく暮らしていた。ある日、南仏の豪邸を相続したとの知らせを受け、退屈な日常は一変していく。ふたりはさっそく南仏へ向かうが、目当ての館はなかなか見つからず……。

 


◎アフターセミナー

◇日時:2026年12月12日(土)14:30の回終了後

◇場所:彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール

◇ゲスト:斉藤 綾子 さん(映画研究者/明治学院大学名誉教授)

公演インフォメーション

上映日時

2026年12月
9日(水) 10:30/14:30
10日(木) 10:30/14:30
11日(金) 10:30/14:30
12日(土) 10:30/14:30
13日(日) 10:30/14:30

会場

彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール

作品情報

監督:ネリー・カプラン

原案:ジャン・シャポー

脚本:ネリー・カプラン、ジャン・シャポー、クロード・マコフスキー

撮影:ジルベール・サンドス

音楽:ピエール・ペレ

製作:ジャン・シャポー、クロード・マコフスキー

出演:ダニエル・チェカルディ、ジネット・ガルサン、ジョルジュ・クレース、ネリー・カプランほか

原題:Charles et Lucie/1979年/フランス/カラー/98分

提供:東映ビデオ

配給:グッチーズ・フリースクール

宣伝:プンクテ 

後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

©1979 Cythère films – Paris

主催

特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク

共催

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)

 

チケットインフォメーション

料金
(税込)

【全席自由】

一般1,100円/小中高生600円*(いずれも税込)

※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制

※各回の開始1時間前より販売開始

*学生証を確認する場合がございます。

 

オンラインチケット予約
SAFメンバーズ会員の方 一般の方

※当日券はご予約いただけません。