埼玉会館

シネマ・イベント

彩の国シネマスタジオ 埼玉会館上映会
『燃え上がる女性記者たち』

2025年3月
14日(金)10:30/14:30/18:30

 

【問い合わせ先】 埼玉映画ネットワーク048-762-9407

 

※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制

◎14:30の回終了後に、アフタートークあり

 

世界は変わる、変えられる。

 

カバル・ラハリヤ(ニュースの波)— 小さなメディアが巻きおこすビッグウェーブ
世界で称賛の声!

インド北部のウッタル・プラデーシュ州にあるダリト(ダリット ※注)の女性たちだけで立ち上げた新聞社「カバル・ラハリヤ」(“ニュースの波”という意味)は、紙媒体からSNSとYouTubeの発信を主とするデジタルメディアとして、新しい挑戦を始めている。ペンをスマートフォンに持ちかえた彼女たちは、貧困とカースト、そしてジェンダーという多重の差別や偏見、さらには命の危険すらある暴力的な状況のなか、粘り強く小さな声を取材し続けていく。やがて、彼女たちの発信するニュースは、インド各地へと大きな広がりを見せるのだった—。

注:ダリト(ダリット)の本来の意味は、“抑圧された(者)”。カースト制度の外側・最下層に置かれて「不可触民」として蔑まれ、人が嫌がる汚れた仕事を押し付けられてきた。現在は、法律でカーストに基づく差別を禁じ、不可触民制の廃絶と違反者への罰則も規定されているが、彼/彼女らに対する差別は根強く残っている。

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監督のリントゥ・トーマスとスシュミト・ゴーシュが完成までに5 年の歳月を費やした長編ドキュメンタリー第1 作となる本作は、2021 年サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門の観客賞と審査員特別賞ダブル受賞を皮切りに、2021 年山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞、第94 回アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞ノミネートなど、世界各地の映画祭で30 を超える映画賞を受賞、高い評価を得ている。

 

 

「カバル・ラハリヤ」とは

「カバル・ラハリヤ」は、2002 年にウッタル・プラデーシュ州 チトラクート地区にて、ダリトの女性たちによって週刊の地方新聞として創刊される。 農村ジャーナリズムとフェミニズムを掲げ、地域社会での差別、女性への暴力や性犯罪、ライフラインの不整備、違法労働の癒着と不正、拡大するヒンドゥー・ナショナリズムなど、地元の生活に立脚した草の根報道を続けている。

2016 年には、独自のビデオチャンネルを立ち上げ、デジタル配信へと移行する。現在、ウッタル・プラデーシュ州とマディヤ・プラデーシュ州の13 地区で、30 人の女性記者と地方通信員のネットワークを持ち、複数のデジタル・プラットフォームを通じて毎月500 万人にリーチしている。

「カバル・ラハリヤ」公式サイトにはこう記されている、「あなたのニュース、あなたの声で」。

参照:Khabar Lahariya 公式サイト

 

 


 

監督の言葉

「燃えあがる女性記者たち」は、力についての考察です。分断された世界で新たな可能性を見いだす力、そして女性の声が持つ、しなやかで強い力について、深く掘り下げました。

私たちは映画製作者として、民主主義における女性の声の役割に関心を持っています—自らを排除すべく作られた世界で、女性が居場所を取り戻そうと声を上げるとき、何が起こるでしょうか。そして彼女たちが描き直す世界とは、どんなものでしょうか? 

ウッタル・プラデーシュ州の取材チームと会ったのは同年の夏。ここで目にした2つのエネルギーは、とても魅力的でした。一方は、とてつもなく残酷で硬直した制度的差別に少しずつ切り込もうとする、地方のダリト女性たち。もう一方は、本質として自由なデジタルテクノロジーです。ちょうど彼女たちは、14年間続けてきた紙媒体からデジタルに移行しようという転換点にあり、映画を作る私たちにとって、変化の流れに飛び込んで一緒に旅をするには絶好のタイミングだと感じました。製作期間として2年ほどを見込んでいましたが、実際には5年もかかりました。

ドキュメンタリーが、物語を語り伝えるジャンルとして発展してきた過程には、排除の文化が存在しています。支配的な白人男性の視点で組み立てられた物語は、植民地に対するような先入観と、異国趣味に満ちたものがほとんどでした。彼らが持っていたレンズを私たちの手に持ち替え、自分たちで語ろうと取り組んだのが、この作品です。同質性の枠から物語を解き放ち、複雑さ、真実味、尊厳を吹き込みました。そうして生まれたこの作品は、積極的な市民活動への賛辞です。レジリエンスが持つ気品と、創造的な抵抗に対する、私たちの賛歌なのです。

世界中で、この作品はますます価値を生み、さらなる観客を引き付けています。インドの一地域のストーリーが世界へと羽ばたいていき、見てくださった方が、今とは違う未来や自分のあり方を思い描けるようになっているとしたら、本当に、本当に意義深いことです。

あらすじ

メディアで人を守ることができる— 心の声を聴くことをあきらめない

「カバル・ラハリヤ」は、大手メディアが注目しない農村の開発や地方自治の問題を報道している。知識も経験も豊富な主任記者のミーラは、ニュースのデジタル化に戸惑う仲間を励ましながらも、自身の子育てと夫の無理解に悩んでいる。有望記者のスニータは、やる気も能力も十分だが、家族と世間からの結婚の圧力に疲弊し、新人のシャームカリは、自分の取材能力に自信が持てなくなっていた。

それぞれの悩みを抱えながらも徐々に記者としての取材方法を獲得していったミーラたちは、次々と反社会勢力の存在や警察の怠慢などを明らかにしていく。そして、むかえた地方選挙。「カバル・ラハリヤ」の記者たちは、その最前線の取材へと飛び込んでいく。

 


◎アフタートーク

「世界は変わる、変えられる。」—女性記者にきいてみよう!

◇日時:2025年3月14日(金)14:30の回終了後

◇場所:埼玉会館 小ホール

◇ゲスト:山田 みう さん(朝日新聞 さいたま総局 記者)

公演インフォメーション

日時

2025年3
14日(金)10:30/14:30/18:30

会場

埼玉会館 小ホール

作品情報

監督・撮影・製作:リントゥ・トーマス&スシュミト・ゴーシュ

2021年/インド/ヒンディー語/93分/原題:Writing with Fire

 

主催

特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク

提携

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(埼玉会館)

 

チケットインフォメーション

料金
(税込)

【全席自由】

一般1,100円/小中高生600円*(いずれも税込)

※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制

*学生証を確認する場合がございます。

 

オンラインチケット予約
SAFメンバーズ会員の方 一般の方

※当日券はご予約いただけません。