Vol.111
2024年10月号
彩の国さいたま芸術劇場
2024年10月
23日(水)10:30/14:30
24日(木)10:30/14:30
25日(金)10:30/14:30
26日(土)10:30/14:30
27日(日)10:30/14:30
(1日2回、計10回上映)
※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制
◎26日(土)14:30の上映終了後に、アフターセミナーあり
【問い合わせ先】埼玉映画ネットワーク 048-762-9407
認知症を抱える父との再会をきっかけに辿る50年間の記憶 言葉にできなかった想いを確かめ合う親子の物語
米アカデミー賞受賞作品『グリーンブック』主演のヴィゴ・モーテンセン初監督作品
「サンダンス映画祭を沸かせた最高の感動作!!」(The Hollywood Reporter)、「クリント・イーストウッド監督作品を彷彿させる」(Variety)と、全米の一流メディアが大絶賛する注目作がいよいよ上映される。
『ロード・オブ・ザ・リング』(01~03)3部作のアラゴルン役で世界的人気を獲得し、『イースタン・プロミス』(07)、『はじまりへの旅』(16)『グリーンブック』(18)で3度米アカデミー賞にノミネートされた名優ヴィゴ・モーテンセンが、遂に監督デビュー。「母親の葬儀からの帰りに思いついた」と語る自身の親子関係を反映した半自伝的な脚本と、魂に語りかけるような音楽も出掛け、さらに認知症の父を持つ息子役で出演も果たし、これまでのアーティスト人生で培ってきた才能のすべてを注ぎ込んだ。
国際的に活躍する演技派俳優たちが紡ぐ困難な時代に光を届けるヒューマンドラマ
主人公ジョンの父ウィリスには、『エイリアン2』(86)『ターミネーター』(84)のランス・ヘンリクセン。認知症で息子に頼らなければ生きていけなくなった父を、正面から逃げることなくリアルに演じきった。うまく愛情を表現できない若き日のウィリスには、『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(17)でボルグに扮し、ヨーロッパ映画賞にノミネートされたスヴェリル・グドナソン。
父を反面教師に、都会的で洗練された生き方を選んだ息子のジョンを演じるのが、ヴィゴ・モーテンセン。ジョンの妹のサラには、『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』(07)などで3度米アカデミー賞にノミネートされた演技派俳優、ローラ・リニー。父の愛を求める娘の切ない気持ちを見事に表した。父と息子それぞれの回想の中で、美しく輝き続けるグウェンには、『ジョーカー』(19)のハンナ・グロス。
言葉にできなかった喜びや悲しみ、愛情や怒りを互いにぶつけ合い、共に歩んだ人生の意味を確かめ合おうとする、不器用な父と繊細な息子。やがて息子は、父の秘めた想いに初めて気づくのだが—。たとえ幾度も切れたとしても、必ずまた繋ぐことが出来る、親子の絆を描くヒューマンドラマ。
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プロダクションノートより
—本作が生まれたいきさつについて
ヴィゴ・モーテンセンはこう語る。「母親の葬儀の後、飛行機で大西洋を渡っていた時、母親の姿や家族で一緒に過ごした時の思い出で頭がいっぱいになった。この心理を表現しなければという想いが募り、幼少時代の出来事や会話の断片を紙に書き出した。母親のことを書けば書くほど、思い出すのは父親のことだった。飛行機が着陸する頃には、自分が書き綴ったイメージが、架空の会話や瞬間から成る物語にまで発展していた。現実で起きたことと類似しているものの、確かに異なる会話が、なぜかしっくりきた。単に具体的な事実を並べたものよりも想像上の物語の方が、自分の母親や父親に対する想いを的確に表現しているような気がした。この時のノートに書き出した基本的な構造を基に、脚本を書き上げた」
—ヴィジュアル・スタイルについて
モーテンセンは、自分のヴィジュアル・スタイルについて語る時、ミニマリストとして知られる日本の映画監督、小津安二郎の名を挙げた。静かで控えめな映像で、世代間の葛藤を描くことで知られる小津は、一つの場面を長回しで撮影する客観的で少々厳格な手法を用いた。モーテンセンは、「カメラを動かす瞬間は、慎重に選ばなければならない。私が好きな映画監督は、カメラを引き気味かつ低めに設置する人が多い。そうすることで、空間の中に登場人物たちが馴染んで、風通しがよくなるんだ。役の態度や身体的な動きも良く見える。そういう手法は、特に最初の方の農場の回顧シーンでよく使った」と解説する。
—初めての監督業について
…モーテンセンは、初めての監督業で学んだことを、こうまとめる。「アーティストというものは、絵を描くにしろ、詩を書くにしろ、作曲するにしろ、演技するにしろ、監督するにしろ、何よりもまず自分を満足させなければならない。そのためには、できる限り自分に正直である必要がある。自分がやっていることを自分自身で、あるいは誰かと一緒に信じることができて、具体的で真実味のある瞬間が積み重なっていけば、それを見た人たちも、同じようにその物語を信じ、作品に惹き込まれるだろう。監督は複数のことを、同時にこなさなければならない。自分が描きたい全体像があったとしても、場面ごとに成立させていくしか他に方法はない。一歩進むごとに、その場に集中し、その場面に含まれるすべての要素に集中する。照明、衣裳、ヘア、メイクアップ、声のトーン、ジェスチャーがしっかり溶け合っているか確認する。すべての要素がうまく合わさって、初めて次の一歩を踏み出すことができる。その繰り返しで、まさに人生と同じだ」
航空機のパイロットを務めるジョンは、パートナーのエリック、養女のモニカとロサンゼルスで暮らしている。ある日、田舎で農場を経営するジョンの父親ウィリスが認知症を発症し、引退後に住む家を探すためにジョンのもとへとやって来る。思春期の頃から、ジョンと保守的な父親との間には、ずっと埋まらない心の溝があった。だが、認知症のために過去と現在の出来事が混濁してゆく父と向き合ううちに、親子の50年間の記憶がとめどなく溢れ出していく—。
◎アフターセミナー
「認知症予防、今できること」
◇日時:2024年10月26日(土)14:30の回終了後
◇場所:彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール
◇ゲスト:菊池 友宏 さん(NPO法人 ReMind 副代表/理学療法士)
上映日時 | 2024年10月 |
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会場 | 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール |
作品情報 | 監督・脚本:ヴィゴ・モーテンセン 出演:ランス・ヘンリクセン、ヴィゴ・モーテンセン、ローラ・リニー 2020年/カナダ・イギリス/英語・スペイン語/112分/原題:Falling/シネスコ |
主催 | 特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク |
提携 | 彩の国さいたま芸術劇場 |
お読みください | ◆発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。 ◆施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時のほか、必要に応じて着用してください。 ◆施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。 ◆スタッフは検温を実施し、健康状態を確認のうえ、異常がある場合は業務につきません。また、手指消毒を実施しています。マスクは必要に応じて着用する場合があります。 ◆会場内は、法令にもとづき機械設備による十分な換気が行われています。 |
料金 (税込) |
【全席自由】 一般1,100円/小中高生600円*(いずれも税込) *学生証を確認する場合がございます。 |
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