Vol.112
2024年12月号
彩の国さいたま芸術劇場
2024年8月
7日(水)10:30/14:30
8日(木)10:30/14:30
9日(金)10:30/14:30
10日(土)10:30/14:30
11日(日)10:30/14:30
(1日2回、計10回上映)
※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制
◎10日(土)14:30の上映終了後に、アフターセミナーあり。
【問い合わせ先】埼玉映画ネットワーク 048-762-9407
『ハンナ・アーレント』に続く、勇気ある検事たちの実話
『ゲーテの恋』『イングロリアス・バスターズ』のアレクサンダー・フェーリングが、主人公の検事ヨハン・ラドマンを演じ、『ハンナ・アーレント』で若きハンナ・アーレントを演じたフリーデリーケ・ベヒトが元先遣大隊の父を持つマレーネを演じる。監督は、ドイツ在住のイタリア人で、俳優として活躍するジュリオ・リッチャレッリが、本作で初めてメガホンをとり、自ら脚本も手がけた。本作は戦後70年の節目を迎えた2015年に公開された。ドイツ人がドイツ自身を裁き、ドイツの歴史認識を変え、大きなターニングポイントとなったアウシュヴィッツ裁判までの苦闘を初めて正面から描いた作品である。
製作の過程
「ニュルンベルク裁判と比較すると、アウシュヴィッツ裁判を知る人は今でもほとんどいません。」「見方によっては、私たちの映画は過去を忘れさせないための作品ですが、お行儀の良い、絵に描いたような歴史の授業ではなく、ヒーロー映画のようにワクワクしてみる事のできる面白い展開で描いています。当時、1963年のアウシュヴィッツ裁判を開くまでに5年以上もの準備期間を要したように、この映画も同じくらいの時間を要しました。」(プロデューサー/ヤコブ・クラウセン)
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エリザベト・バルテル(脚本)とジュリオ・リッチャレッリ(監督)は、実話に基づき、実在した人物たちを交えながらもフィクションとして描くことに決めました。「検事総長であるフリッツ・バウアーとジャーナリストのトーマス・グニルカは実在しましたが、主人公の若き検事ヨハンは架空の人物であり、実際に調査に携わった3人の検事たちの集約です。脚本を展開させていくうえで一番大きな挑戦だったのは、個々の要素のバランスを調整し、決定的な事実を保つ一方で、感情的な要素をもっと出すことでした。物語がどの時代を描いているのかという情報を可能な限り自然に盛り込まなければいけなかったんです。たとえば、たくさんの兵士たちが戦争捕虜として捕まり、いまだに帰還していない事実など。」(プロデューサー/ウリ・プッツ)
監督は語る—
1950年代後半、多くのドイツ人がアウシュヴィッツのことを聞いたことがないというのは、とても信じられませんでした。自分でリサーチしていくうちに、この結果は当然だと思いましたが。戦後の人間として、1945年以降のドイツでは歴史の授業や、様々な映画、強制収容所への訪問などを通して、ナチス時代のことを十分に勉強しているものだと思っていたからです。
しかし実際は、第二次世界大戦後、何年もの間アウシュヴィッツについての理解を深めず、代わりに暗い過去に口を閉ざそうとしました。これは沈黙の序章に過ぎず、加害者についても、被害者についても語ろうとはしませんでした。もちろんアウシュヴィッツのことを知っている人たちもいましたが、多くのドイツ人たちは知りませんでした。もし、検事総長と3人の若き検事たちの勇敢な4人が、いくつもの障害を乗り越えてフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判を行わなければ、今でも闇に葬られたままだったでしょう。4人の英雄たちが、ドイツを永遠に変えたのです。
—歴史的な事実においては、可能な限り確実なものを使用し、登場人物たちの人生の中の出来事を描いた部分だけ、自分たちに表現の自由を与えました。私たちは観客に歴史の授業をしたかったわけではなく、感情的な映画体験をして欲しかったのです。だから私は人工的な芝居要素ではなく、登場人物たちのキャラクターから湧き出るユーモアを通して、演技を緩めるように何度も何度も試みました。
戦後、西ドイツは経済復興の波に乗り、多くの人が戦争の記憶、自分たちが犯した罪を過去のものとして忘れ去ろうとしていた。そんな時、一人のジャーナリストがアウシュヴィッツ強制収容所の元親衛隊員(SS)が、教師をしていることを突き止める。駆け出しの若き検事ヨハンは、上司の引き止めにも耳を貸さず、ジャーナリストのグニルカ、強制収容所を生き延びたユダヤ人のシモンとともに、様々な圧力、苦悩を抱えながら、検事総長バウアーの指揮の下、ナチスがアウシュヴィッツでどのような罪を犯したのか、その詳細を生存者の証言や実証を基に明らかにしていく。そして、1963年12月20日、フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判の初公判が開かれた—。
◎アフターセミナー
「アウシュヴィッツ裁判とは何か?」
◇日時:2024年8月10日(土)14:30の回終了後
◇場所:彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール
◇ゲスト:芝 健介 さん(東京女子大学名誉教授 ドイツ近現代史)
上映日時 | 2024年8月 |
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会場 | 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール |
作品情報 | 監督:ジュリオ・リッチャレッリ 出演:アレクサンダー・フェーリング(『ゲーテの恋』)、フレーデリーケ・ベヒト(『ハンナ・アーレント』)、アンドレ・シマンスキ、ヨハネス・クリシュ、ゲルト・フォス 2014年/ドイツ/123分/シネマスコープ/原題:Im Labyrinth des Schweigens/英題:Labyrinth of Lies |
主催 | 特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク |
提携 | 彩の国さいたま芸術劇場 |
お読みください | ◆発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。 ◆施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時のほか、必要に応じて着用してください。 ◆施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。 ◆スタッフは検温を実施し、健康状態を確認のうえ、異常がある場合は業務につきません。また、手指消毒を実施しています。マスクは必要に応じて着用する場合があります。 ◆会場内は、法令にもとづき機械設備による十分な換気が行われています。 |
料金 (税込) |
【全席自由】 一般1,100円/小中高生600円*(いずれも税込) *学生証を確認する場合がございます。 |
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