詳細|お知らせ
News

彩の国さいたま芸術劇場 |

ダンス

【企画展示WEB版】テロ・サーリネン・カンパニー『MORPHED—モーフト』

2015年5月24日

北欧フィンランド・コンテンポラリー界の代表格
テロ・サーリネン・カンパニーが待望の来日!


本展(WEB版)では
カンパニー活動の歴史を舞台写真とともに巡ります。

彩の国さいたま芸術劇場にて開催中の同展(詳細はこちら)では、
下記作品について、舞踊評論家 立木_子氏による解説とともにご覧いただけます。
是非、公演のご鑑賞とご一緒にお楽しみください。


【展示舞台写真】

『HUNT』(2002)、『Borrowed Light』(2004)
『MESH』(2014)、『MORPHED』(2014)
『VORTEX』(2014)、『Kullervo』(2015)


★テロ・サーリネン・カンパニー『MORPHED-モーフト』
 公演情報はこちら

 


 

21世紀、ダンス・シーンをリードする
テロ・サーリネン・カンパニー

 

多様なダンスがひしめくヨーロッパにおいて1990年代になって急浮上したフィンランドのダンス。エネルギッシュな動きと照明や映像とのコラボレーションが生み出す洗練された舞台で定評があるが、それらの表現は、厳しくも美しい風土に根ざした豊かな感受性とも深く関わっている。自然と結びついた生活習慣を持つフィンランドでは舞踏への関心も高く、大野一雄、山海塾などが公演を重ね、ヨーロッパで活動していた故古川あんずもこの国の舞踊に少なからず影響を与えた。

そんなフィンランドのダンス界で世界的に評価が高い振付家がテロ・サーリネンだ。リヨン・ダンス・ビエンナーレなどにもたびたび登場し、昨年もパリのシャイヨー劇場で上演された代表作『Borrowed Light(反射光)』(2004)が大きな評判を呼んだ。

フィンランド国立バレエ団のソリストとして活躍していたサーリネンが振付家に転身したのは、1990年代初頭。フランスのヌーヴェルダンスの台頭に大きな影響を与えたカロリン・カールソンやフィンランドのダンスの父と評されるヨルマ・ウオッティネンの薫陶を受ける一方、大野一雄の舞踏に出会い衝撃を受けた。バレエとは異なる舞踊の在り方を求めて研鑽を積み、大野一雄の下で舞踏を1年間学んだ。大地に根ざすような低い重心。バランスとオフ・バランスの絶妙な間合いで生まれる伸びやかな動き。表現とは何かという本質的な問いと向き合いながら独自の表現語彙へと行き着いた。力強く詩的な説得力を発揮する振付には、東西の身体技法が魅力的に融合している。

サーリネンの作品は多岐にわたるが、ダンスに目覚める前には美術の道を志しただけに、緻密な空間デザインによる美しい舞台を創る。フィンランドを代表する照明デザイナー、ミッキ・クントゥをはじめ一流のアーティストとの緊密なコラボレーションを重視する妥協を許さない創作姿勢はよく知られている。

本展では、テロ・サーリネンとそのカンパニーの飽くなき挑戦精神を存分にご覧いただけるだろう。

文・立木_子(舞踊評論家)
[展示作品の解説を含む]


 

HUNT

 

2002年6月2日初演
(ヴェネチア・ビエンナーレ,イタリア )



Borrowed Light (反射光)

2004年10月8日初演
(フェスティバル・オクトーバー・エン・ノルマンディ,フランス )


 

MESH

 


2014年2月2日初演
(埼玉県舞踊協会,彩の国さいたま芸術劇場 )


 

MORPHED

 

2014年8月16日初演
(ヘルシンキ・フェスティバル,フィンランド国立歌劇場,フィンランド )


 

VORTEX

2014年4月16日初演
(韓国国立舞踊団,韓国国立劇場,韓国)


 

Kullervo

2015年2月13日初演
(フィンランド国立歌劇場,フィンランド )