Vol.117
2025年10月号
彩の国さいたま芸術劇場
2025年12月
10日(水)10:30/14:30
11日(木)10:30/14:30
12日(金)10:30/14:30
13日(土)10:30/14:30
14日(日)10:30/14:30
(1日2回、計10回上映)
※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制
◎13日(土)14:30の回終了後、アフターイベント開催!
【問い合わせ先】埼玉映画ネットワーク 048-762-9407
リチャード・リンクレイター監督とケイト・ブランシェットを虜にしたニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー小説を映画化
笑いと涙のドラマチック・アドベンチャー
エンターテインメントの神様は、いったいどれだけの才能を彼女に与えれば気がすむのだろう?歴史に名を残す人物から伝説のファンタジー小説の王妃、実在のハリウッドトップ女優など、ジェンダーや種族も超えた存在まで演じ、アカデミー賞®8度ノミネート2度受賞、ゴールデングローブ賞12度ノミネート4度受賞という華麗なる受賞歴を誇るケイト・ブランシェットだ。
そんな大スターにして演技の女王が、自ら演じたいと熱望した女性、それが本作の主人公“バーナデット”。2012年に出版され、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーに約1年間リスト入りした、アメリカの作家マリア・センプルによる小説の主人公だ。
同じくこの物語に強力に魅せられたのが、『6才のボクが、大人になるまで。』で、劇映画でありながら主役の少年が大人になるまでの12年間を撮り続けるという革命的な作品で、世界中に唯一無二の感動を巻き起こしたリチャード・リンクレイター監督だ。同作はアカデミー賞®6部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞作品賞と監督賞、ベルリン国際映画祭監督賞を受賞し、今も「私の大切な一本」としてあげる映画ファンが数知れない。
こうして、一つのキャラクターが、今最も観客を楽しませ心を震わせてくれる俳優と監督を結びつけるという映画的幸福に満ちた、「必見」という言葉にふさわしい作品が誕生した。
いくつになっても何度でも、人生はリスタートできる
希望に満ちたヒューマン・コメディの新たなる傑作
バーナデットを演じるのが、ケイト・ブランシェット。破天荒で常識を超えた言動に走るバーナデットを、チャーミングで憎めない人物に作り上げた。独自の感性で生きる姿には、快哉を叫ばずにはいられない。深い共感を呼ぶキャラクターを生み出したケイト・ブランシェットは、本作で見事10度目となるゴールデングローブ賞ノミネートを果たした。
夫のエルジーには、アカデミー賞®作品賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』への出演で知られるビリー・グラダップ。妻を愛しているが本当に理解していない仕事中毒の夫が、自分にとって一番大切なものは何かを見つけるまでを細やかに演じた。娘のビーには本作が映画デビュー作となるエマ・ネルソン。母を信じ励ます健気な娘に扮し、観る者から美しい笑顔を引き出す。
南極のシーンはグリーンバックで撮影し合成する予定だったが、ケイト・ブランシェットからの「海と氷は本物であるべき」という強い希望で、グリーンランドのロケ撮影が実現した。ブランシェットがカヤックから見上げる巨大な氷山の光景は、長らく遠くへ旅立てなかった私たちを、強張った魂を解き放つ圧倒的な自然へと連れ出してくれる。
主題歌は1984年にリリースされ、全米1位を記録し日本でも大ヒットしたシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」。早くから女性の社会的地位向上への支援を続けるシンディの優しく抱きしめてくれるようなハイトーン・ヴォイスが、明るい未来を予感させる。
家でを決行してから、さらに加速していくバーナデットの大胆かつ突飛な行動に笑って泣いて、彼女を通して自分自身を見つめ、“何だってできる。諦めた夢に今からでも挑戦できる”と、元気と勇気に満たされるヒューマン・コメディの傑作が誕生した。
ケイト・ブランシェット コメント
原作はスリルがあって愉快な小説で、バーナデットにはとても共感しました。マッカーサー賞を受賞した彼女は、次はどんな素晴らしい建築物を建てるのだろうと周りから期待されます。そこに、役者という仕事との共通点を感じました。私たちは、カメラや観客や仕事仲間の前で、常に自分をさらけ出さなければなりません。そのためには図太い神経を持たなくてはならないのです。失敗すれば、すぐに全世界に知られてしまいます。幸いうまくいって、いくつか成功が認められると、今度は何をするにも期待されるというプレッシャーを感じてしまいます。だから、彼女が何も造らなかった気持ちは、よくわかります。逃げるのは簡単だけれど、やり直すのはとても難しいことも。
バーナデットは他人に対して困惑していますが、それ以上に今の自分にも戸惑っています。周りの人たちだけでなく、自分自身に対しても批判的で容赦がないのが、彼女の知的で公平なところだと思います。人を不愉快にさせる嫌味な人物の内面を覗いてみると、実は非常に繊細で脆いというのが、人間の面白いところですね。
家族といる時と、濃い色のサングラスと鎧代わりの服を着て外へ出掛ける時のバーナデットは全く違います。さらに、南極へ行ってからの彼女も新たなバーナデットとして演じ分けました。リチャード(・リンクレイター監督)は、役者がどうやってキャラクターに命を吹き込むかを、楽しんでくれる人です。彼はどの作品でも、人と人との間に起きる問題を取り上げています。いつも自然体で仕事を進める人ですが、キャラクターを血の通った人間にするために、衣裳や美術、セットなど彼らが生きる世界には、細部にまで非常にこだわっていました。
誰の人生にも、混乱はつきものです。なぜなら、人は自分自身から決して逃げることはできないから。この映画が伝えているのは、未来に踏み出すには、本当の自分と向き合わなければいけないということです。
毎日がトラブルでいっぱいの主婦バーナデット
「もう限界」と逃げ出して始まった、シアトルから南極へ16,000㎞の旅
シアトルの個性的な年代物の家で暮らす主婦のバーナデット。夫のエルジーは一流IT企業に勤め、娘のビーとは親友のような関係で、何不自由ない幸せな毎日を送っているようにみえた。だが、バーナデットは極度の人間嫌いで、隣人やママ友たちとうまく付き合えず、買い物からスケジュール管理、様々な家事まで日常生活のほぼすべてを、メールで依頼できるバーチャル秘書に任せていた。さらに彼女は、かつて建築家として名高い賞に一度だけ輝き天才ともてはやされたが、真の建築家になるという夢を諦めた過去があった。日に日に息苦しさが募る中、ある事件をきっかけに、この退屈な世界に生きることに限界を感じたバーナデットは、忽然と姿を消す。彼女が向かった先、それはビーの中学卒業旅行に家族3人で行くはずだった南極。もう何年もほとんど自宅とビーの学校との往復だったバーナデットのワクワクと胸躍る予測不能な旅が始まる——!
◎アフターセミナー
南極のあれこれ教えてください!
◇日時:2025年12月13日(土)14:30の回終了後
◇場所:彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール
◇ゲスト:熊谷 宏靖 さん(国立極地研究所 広報室室長)
上映日時 | 2025年12月 |
---|---|
会場 | 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール |
作品情報 | 監督・脚本: リチャード・リンクレイター 脚本:ホリー・ジェント、ヴィンス・パルモ 出演:ケイト・ブランシェット、ビリー・クラダップ、エマ・ネルソン、クリステン・ウィグ ほか 2019年/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/108分/原題:Where’d You Go, Bernadette/日本語字幕:石田泰子 配給:ロングライド 提供:バップ、ロングライド © 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved. |
主催 | 特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク |
共催 | 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場) |
料金 (税込) |
【全席自由】 一般1,100円/小中高生600円*(いずれも税込) *学生証を確認する場合がございます。 |
---|
MOVIE Information
SOCIAL NETWORKING SERVICE