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公演情報
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彩の国さいたま芸術劇場

シネマ・イベント

【上映中止】彩の国シネマスタジオ 『あなたの名前を呼べたなら』

【上映中止】彩の国シネマスタジオ 『あなたの名前を呼べたなら』

2020年6月(中止)
 10日(10:30/14:30
 11日() 10:30/14:30
 12日(金) 10:30/14:30
 13日(土) 10:30/14:30/18:00
 14日(日) 10:30/14:30

※上映中止。お問い合わせ等は主催者(048-762-9407)までお願いします。

※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制

 

★アフターセミナーあり。6月14日(日)14:30の回終了後

ゲスト   松岡 環 さん(まつおか・たまき アジア映画研究者)

 

 

カンヌが注目する女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作!

 

決して交わるはずのない、ふたり。

 

近くて遠いふたつの世界が交差したとき・・・・

 

 

 2018年のカンヌ国際映画祭批評家週間のコンペディション部門で、デビュー作ながらGAN基金賞を受賞!インドのムンバイで生まれ、カリフォルニア、ニューヨーク、パリを渡り歩いたロヘナ・ゲラが、故郷で初監督した本作は、インドの厳しい身分制度や因習を乗り越えて愛を育む男女の物語。先進国では”身分違いの恋”はラブストーリーの味付けとして描かれるが、本作のスタッフやゲラ監督の家族ですら「絶対に起こりえない物語」と断言するタブーなのである。

 

 経済発展著しいインドのムンバイ。夫を結婚4か月で亡くし未亡人となったため、婚家から口減らしのためにムンバイに送り出され、住み込みのメイドとして働くことになった農村出身のラトナ。彼女の夢はファッションデザイナーだった。逆境を跳ね飛ばして夢に踏み出すラトナを演じるのは、『モンスーン・ウェディング』(01)でウェディング・プランナーと微笑ましい恋に落ちるメイド役で注目されたティロタマ・ショーム。彼女自身もインド映画界を離れてニューヨーク大学の演劇教育の博士号を取得し、貧困や暴力に苦しむ人々のために活動した経験を持つ芯の強い女性だ。本作では、マラーティー語をゼロから勉強して、役作りした。

 

 一方、ラトナが住み込みで働く家主は、建設会社の御曹司で結婚直前に婚約者の浮気で破談となり、広すぎる高級マンションで一人暮らしをする傷心のアシュヴィン。やがて、ラトナのやさしさとおいしい食事に癒されて、心のままに生きようと目覚める彼を、インド系シンガポール人のヴィヴェーク・ゴーンバルが演じる。「ヒンディー語が話せて、アシュヴィンの境遇を心から理解できること」が配役の条件だったため、インド人俳優ではキャスティングが難航。そんな時にゲラ監督はある人から不条理な法廷劇『裁き』(14。監督/チャイタニヤ・タームハネー)で、人権派弁護士を演じるゴーンバルを勧められた。実は彼は『裁き』のプロデューサーとして企画を立ち上げ、80万ドル(約9千円)もの製作費を全額出資したインド映画の良心的存在でもあり、ゲラ監督はオファーを決断したという。

 

 ムンバイ出身の監督、ロヘナ・ゲラはアメリカで大学教育を受け、その後、映画・テレビ業界で助監督や脚本家として活躍。海外生活が長く、インサイダーとアウトサイダーの2つの視点を持つゲラ監督だからこそ描けた身分違いの恋は、幼少期の監督をお世話してくれた住み込みのメイドが、人間以下の扱いをされていた悲しい記憶から生まれたという。本作はインド社会の分断を舞台にした心温まるラブ・ロマンスだが、キャストと監督が差別と偏見が残るインド社会に変革を起こそうと作り上げた情熱の結晶でもある。

 世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダーギャップ(男女の格差)指数」では、身分制度がなく恋愛も職業も自由に選択できるはずの日本が、世界基準ではインドよりもここ何年も下位に位置付けられている現実を思えば、本作を見ることで、日本社会に潜む性差と家に拘わる無意識の束縛に気づくことにもなるかもしれない。

 

 そのような背景を持つ本作ではあるが、フランス仕込みのシックなインテリアや、ラトナが目を輝かせる布市場の路地などが登場し、ムンバイのおしゃれな一面も楽しい見どころとなっており、懐かしさと勇気が湧いてくる恋と目覚めの物語として、あたたかな喜びを観る人に運んでくれるのではないだろうか。

あらすじ

 高原にある農村の実家に里帰りしていたラトナ(ティロタマ・ショーム)は、突然雇い主に呼び戻された。彼女は、経済発展著しいインドの大都会ムンバイで、住み込みのメイドとして働く未亡人だ。雇い主は、建設会社の御曹司アシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)だ。ラトナと運転手のラジューが慌てて戻ると、憔悴しきったアシュヴィンが帰宅してきた。海外で挙式する直前に、婚約者サビナ(ラシ・マル)の浮気が発覚し、破談となったのだ。アシュヴィンはアメリカでライターとして働いていたが、兄の死で父の建設会社の跡継ぎにさせられた。ムンバイでの生活は経済的には不自由ないが、仕事も結婚も親の敷いたレールを進むだけ。夢半ばで筆を折った彼にとって、破談は新たな挫折となった。

 

 そんな途方に暮れるアシュヴィンにラトナは優しく語り掛けるのだった。19歳で勝手に嫁に出されて悔しかったこと、夫の病死で結婚生活が4か月で終わったこと、未亡人として死ぬまで夫の家に縛られること、それでもムンバイで働いて妹の学費を稼げることが喜びであること・・・・。こうして、結婚に失敗したという共通点が、接点のないはずの二人の関係を大きく変えていくのだった。

 

 仕事の合間に近所の仕立屋を手伝っていたラトナは、メイド仲間のクラシュミの計らいで裁縫教室に通うことになり、ある日楽しそうにドレスを仕立てるラトナを目にしたアシュヴィンは、彼女の夢が、仕立屋ではなく、ファッションデザイナーであることを知る。実家のために夢をあきらめていたアシュヴィンは、夢に向かって生き生きと働く彼女が眩しく見えると同時に、ラトナとの生活に安らぎを感じている自分に気づくのだった。

 

 そんな二人の前に身分の違いと因習という壁が立ちはだかることに・・・・。未亡人のラトナは再婚はおろか恋愛はご法度であり、亡き夫と婚家の名誉を汚すようなことは許されず、アシュヴィンが彼女に優しく接すれば接するほど、ラトナの立場は危うくなるのだった。それはアシュヴィンにとっても同じことで、階級が違うメイドを恋愛対象にするなど前代未聞のことなのだ。

 

 一つ屋根の下に暮らしながら、思いを言葉にできない二人。アシュヴィンはあふれる情熱を止められず、ついに、思わずラトナの手を握りしめるという行動に出るが・・・・。 

 

 

 

 


 
 
 
 
 

 

 

【日 時】6月14日(日)14:30上映回終了後

【ゲスト】松岡 環 さん(アジア映画研究者)

【テーマ】「格差社会の恋は成就するのか?」

 

公演インフォメーション

上映日時

2020年6月(中止)
 10日(水) 10:30/14:30
 11日(木)
10:30/14:30
 12日(金) 10:30/14:30
 13日(土) 10:30/14:30/18:00
 14日(日) 10:30/14:30

会場

彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール

作品情報

【監督・脚本・出演】 ロヘナ・ゲラ

【出 演】 ティロタマ・ショーム、ヴィヴェーク・ゴーンバル ほか

 

(2018年/インド・フランス合作/99分)

主催

特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク

提携

彩の国さいたま芸術劇場

チケットインフォメーション

料金
(税込)

【全席自由】

一般1,100円/小中高生550円*(何れも税込)

※前売券なし・当日現金支払いのみ・各回入替制・整理券制

*学生証を確認する場合がございます。

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