彩の国さいたま芸術劇場芸術監督蜷川幸雄が率いる、55歳以上の団員による演劇集団さいたまゴールド・シアター。この集団は、2005年11月、当劇場芸術監督に内定した蜷川が、就任後第一に取り組むべき事業として「年齢を重ねた人々が、その個人史をベースに、身体表現という方法によって新しい自分に出会う場を提供する」ための集団作りを提案したことに始まります。
誰もが経験する“老い”を“演劇”に昇華させようと、プロの俳優とは異なる独自の創造性を発揮し、また、演劇界の枠を越え、日本の高齢化社会の有り様に問いかけるモデル・ケースとして、さいたまゴールド・シアターは結成当時から注目を集め続けています。
※現在団員は60歳から85歳までの42名。(2011年7月現在) |
 |
9月に第4回公演『聖地』を上演。今回書き下ろすのは、2年連続で岸田戯曲賞の最終選考に残り、活躍が目覚ましい気鋭の若手劇作家・松井周。30代の松井周が描く“老い”を、蜷川幸雄が演出し、ゴールド・シアターが歩んできた実人生と重なりあう瞬間は見逃せない。 |
|
 |
3月、世界のトップアーティストとともに、国際演劇祭「フェスティバル/トーキョー09春」に招聘され、『95kgと97kgのあいだ』を再演。6月には、ケラリーノ・サンドロヴィッチの書き下ろしによる第3回公演『アンドゥ家の一夜』を上演。台本の完成が遅れたこともあり、蜷川は、台詞の覚えられない劇団員の“老い”そのものを演劇として受け止め、本番に自らプロンプターとして参加。団員たちは、KERA独特のユーモアたっぷりに描かれた、“老い”てもなお悟りとはほど遠く、欲にまみれながら現実と奮闘する人々を演じきった。 |
|
 |
3月、第3回中間発表公演“Pro-cess3”『想い出の日本一萬年』(作:清水邦夫)、5月、第2回公演『95kgと97kgのあいだ』(作:清水邦夫)を上演。『95kgと97kgのあいだ』では、横田栄司、NINAGAWA STUDIOらを客演に迎え、総勢70名を超える異なる世代の俳優がたちが埋め尽くす迫力の演技が観客を魅了した。 |
|
 |
6月、1年間の成果発表としての第1回公演として、岩松 了書き下ろしによる『船上のピクニック』を上演。実人生が反映された独特のリアリティを群像劇の中に表現し、1年で俳優としての技術と存在感を身につけた団員たちの成果は高く評価された。 |
|
 |
2月、団員募集開始。07年から続々と定年を迎える団塊の世代の動向が社会的な注目を浴び始めた時勢を背景に、このニュースは広くマスコミで報じられ、当初20人の募集枠に1200名を超す応募があった。反響は日本全国にとどまらず、アメリカ・カナダなど海外からも届いた。当初、2日間の予定だったオーディションは、蜷川の「全員の選考に立ち会いたい」という希望により2週間に延長。応募条件を満たす全員を蜷川の目を通して選考することとなった。そして、4月21日、55歳から最高齢80歳までの48名が所属する「さいたまゴールド・シアター」が正式発足した。
レッスンは週5日、演出・ダンス・日本舞踊・基本的な発声・ムーヴメントに加え、時代考証などの座学、そして殺陣といった特別レッスンが行われ、蜷川を筆頭に演劇の第一線で活躍する講師陣より受講。06年7月に中間発表公演『Pro-cess〜途上〜』、12月に第2回中間発表公演“Pro-cess2”『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』(作:清水邦夫)を行った。
|
|
|