1996年。25歳の時に、友人に誘われてラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス『2』を観に彩の国さいたま芸術劇場まで初めて来た。その時は蒲田に住んでいて、埼京線は初めて乗ったし、1時間半くらいかけて、もう旅な感じだった。たぶん駅弁とか食べながら。
コンテンポラリーダンスの公演を生で観たことは、それまで何回もあったはずだけれど、全く異質なものを観てしまった・目撃してしまった、と感じ、非常に衝撃をうけた。もうなにも詳細を覚えていないくらいわすれてしまったけど、死ぬ時に今まで観た公演で何が一番ステキだった?と聞かれたら、これしか思いつかないくらい。
その作品のラストの曲が、今でも2番目くらいに好きなギタリストがカンパニーに提供していた曲で、かかってすぐに気がついてクレジット見て確認できて、そういうつながりにもびっくりしたりもした。どうにか音源を手に入れる方法はないかと、臆していたけれど意を決して音響ブースに行き、拙い英語でカンパニーの音響さんに尋ねたらさっぱり伝わらなくて、どうしようと思っていたら、その時そこにいた彩の国さいたま芸術劇場の音響スタッフさんが通訳?してくれて、「あぁ、CD化しようって話があるから、そのうちにお店で買えるよ」と教えてもらえて、大変ありがたく思った。聞いて良かったとホントに思った。
25歳の時は、自分はまだナニモノでもなくて知らない人はみんな敵だと思っていたけど、その時優しく丁寧に対応してもらえて、やがてその2年後に音響さんになるきっかけのひとつになったんじゃないか?と本気で思う。そしてさらにその10年後くらいに、彩の国さいたま芸術劇場の音響スタッフとして働くことになるとは、本当に人生面白いと思う。神様ありがとう。
結局、その音源はCD化されることなく、手に入れることはできなかったんだけれども。
全部騙されてた(笑)!