理事長ごあいさつ | 財団について
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2019年4月1日

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団理事長竹内文則

2019年度を迎え、一言ご挨拶を申し上げます。

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団理事長竹内文則

当財団が、埼玉会館とともに管理運営してまいりました彩の国さいたま芸術劇場は、今年で開館25周年を迎えます。草創の10年は、日本で最高の舞台芸術鑑賞の場を提供するため世界トップアーティスト中心の招請公演を行ってきました。次の10年は、世界的演出家蜷川幸雄芸術監督の下、埼玉で創り日本のみならず世界に向けて舞台芸術作品を発信する創造する劇場となり、彩の国さいたま芸術劇場は世界的評価を頂ける存在になりました。そして、彩の国さいたま劇場と埼玉会館の2館の管理・運営を行う指定管理者の指定を受ける現在、「第3の創業」として「芸術文化を通して地域・社会づくりに貢献すると共に、人と人、人と社会、そしてその輪が世界と繋がる広場機能」となることを目指します。言い換えますと私共劇場が提供する様々な芸術文化事業に皆様が参画して頂くことで、世代、バリアーを超えて人々が繋がり合う社会を創っていきたいのです。

そのために、以下3つを重点施策として取り組んで参ります。

第1は、彩の国さいたま芸術劇場は、「蜷川レガシー劇場」として世界的芸術発信を続けていきます。2016年に逝去された蜷川氏から薫陶を受けた吉田鋼太郎氏を彩の国シェイクスピア・シリーズ二代目芸術監督に迎え、『アテネのタイモン』、『ヘンリー五世』公演を行い、高い評価を頂きました。第3作目は『ヘンリー八世』を2020年2月に予定しております。
また、平成30年度には気鋭の演出家、翻訳家、さいたまネクスト・シアターによる世界最前線の演劇シリーズを立ち上げました。同シリーズを通じて、激動する世界の動向を知る窓の役割も果たしていきます。

第2は、芸術文化による地域づくりに貢献するとともに、今注目される社会包摂の役割を担うことです。現在、さいたま市ではマスタープランを策定して与野本町駅を中心に芸術のまちづくりを進めており、彩の国さいたま芸術劇場も地域づくりの核として全面協力していきます。2017年にリニューアルした埼玉会館は、日本モダニズム建築の父前川國男の代表作として浦和の歴史と文化の担い手として発信し続けて参ります。
蜷川氏が創り上げた高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」は、今までにない演劇を生み出すだけでなく、元気で豊かな高齢社会の在り方を示し続けています。また、『1万人のゴールド・シアター2016』(約1,600人の高齢者が参加した前代未聞の大群集劇)を受け継ぎ、その出演者を中心に「ゴールド・アーツ・クラブ」を結成。彼らは、日本初となる高齢者の国際舞台芸術祭『世界ゴールド祭2018』にも参画し大喝采をあびました。いずれも、引き続き、東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム関連事業として開催を目指す『世界ゴールド祭2020』に向けて、更なる研鑽に励んでいきます。また、人気ダンスカンパニー「コンドルズ」主宰近藤良平氏の指導による障がい者ダンスカンパニー「ハンドルズ」が彩の国さいたま芸術劇場を活動拠点に結成され(既に7作公演:県と共催)、昨年から金沢市、静岡市等の地方公演を実施し、2020年1月には千葉市を予定する等、障がいのある方々の社会参画も進んできています。

第3は、日本を代表する公共劇場として芸術文化に関わる人財育成に努めます。若い世代に芸術の体験機会を提供するアウトリーチ事業「MEET THE MUSIC」、「MEET THE DANCE」や、海外アンサンブル招請公演時には若者向け楽器クリニックを予定しております。また、次代を担う俳優の卵である「さいたまネクスト・シアター」をはじめ、地元の大学や小・中・高校などと連携して芸術文化に関わる様々な人財育成に取り組むと共に、吉川市や東松山文化まちづくり公社など舞台芸術に関心がある地方自治体や団体にノウハウの提供や支援をすることで芸術文化の発展に貢献していきます。

これからもさいたまのみならず日本の財産と呼んで頂ける劇場になるよう、職員一同努めて参ります。 多くの皆様のご来場・ご利用を心からお待ちしております。

2019年4月1日

[プロフィール] (たけうち・ふみのり)

慶應義塾大学経済学部卒業後、1974年4月に(株)日本長期信用銀行入行。(株)長銀総合研究所の金融調査室長などを経て、2000年3月(株)日本長期信用銀行を退職。2000年4月から2015年3月まで富士常葉大學流通経済学部(現常葉大学経営学部富士キャンパス)教授となり、2004年4月から当財団理事長に就任。

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