詳細|お知らせ
News

彩の国さいたま芸術劇場 |

シネマ・イベント

【企画展】『ダンスは自由への入り口ー舞台写真で巡る彩の国さいたま芸術劇場のダンス・プログラムー』6/5(日)まで(彩の国さいたま芸術劇場 1階ガレリア/入場無料)

2022年4月29日

彩の国さいたま芸術劇場は1994 年の開館以来、世界の優れたダンス作品を数多く紹介する国内でも有数の劇場として皆様にご関心をお寄せいただいております。本展では開館当初からの舞台写真を巡ることで、当劇場のダンスの歴史の一端を振り返ります。

 

初期の10 年は、作曲家で初代芸術監督を務めた諸井誠のもと、1980 年代に台頭し高い評価が定着していたウィリアム・フォーサイス率いるフランクフルト・バレエ団や、イリ・キリアンのネザーランド・ダンス・シアター、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団、ラ・ラ・ラ ヒューマン・ステップスなど、世界トップレベルの振付家やダンス・カンパニーを立て続けに招聘し、「ダンスの埼玉」の礎を築きました。

 

2006 年からは演出家の蜷川幸雄が芸術監督に就任。さいたまゴールド・シアターの創設をはじめ、当劇場から数々の話題作を発信しました。同時に、舞踊部門のプロデューサーには佐藤まいみを迎え、国内外のダンスシーンの先端を行く多彩な作品の紹介に積極的に乗り出しました。時代はダンスの概念を限りなく広げ、パワフルな身体表現としてのダンスからアートのあり方を鋭く問いかける表現まで、多種多様な作品が登場。そのような時代を反映する、若手から巨匠までの作品をいち早く当劇場のプログラムに取り上げています。ダンスにサーカスアートを取り入れ、重力を欺くように躍動するフィリップ・ドゥクフレの世界、劇場やダンスの既成のあり方に正面から切り込むジェローム・ベルの視線、舞台をキャンバスに人体を素材とした造形を繊細かつダイナミックに展開するディミトリス・パパイオアヌーの舞台など、ダンスという枠組みに囚われないユニークな発想で、身体と空間を表現する意欲的な作品を紹介してきました。

 

一方、ダンス・映像・生演奏・コント・人形劇が交わりグルーヴィーに展開する異色のダンスグループコンドルズ(近藤良平主宰)の埼玉公演を2006 年より開始。埼玉ならではの新作を毎年発表し、今では当劇場の初夏の風物詩として地元の皆様にも親しまれる恒例の公演になっています。また、大人も子どもも一緒に楽しめる「日本昔ばなしのダンス」シリーズも同年に展開を始め、観客層もさらに広がりを持ってきました。昔ばなしを題材にした埼玉オリジナルの作品の数々は、日本各地はもちろん、海を渡りNY でも上演されました。2018 年からは、若手アーティストの育成と創作を目的とした「さいたまダンス・ラボラトリ」を始動。

 

2021 年3 月には本プロジェクト初の公演『明日を探る身体』を実施。劇作家・演出家の岡田利規によるダンスと言葉が交差する創作の可能性にも取り組むなど、日本のダンス表現の更なる発展を目指しています。

 

ここに展示するのはそのうちのごく一部となりますが、彩の国さいたま芸術劇場がこれまで取り組んできた、ジャンルを超えてより豊かな表現を可能にする多彩な現代ダンスの世界をお楽しみください。

 

また、2022 年4 月からは振付家・ダンサーの近藤良平を新たに芸術監督に迎え、第1 弾『新世界』をはじめとするジャンル・クロス企画やオープンシアター企画など、劇場の新たな魅力を発信する事業を展開してまいります。どうぞご期待ください。

 


【会期】2022年4月29日(金・祝)~6月5日(日)
    ※休館日を除く9:00~22:00
【会場】彩の国さいたま芸術劇場 1階ガレリア ※入場無料
※展示作品の撮影はご遠慮ください。

 

【重要】彩の国さいたま芸術劇場及び埼玉会館のご利用について

 

【展示写真 作品リスト】
さいたまダンス・ラボラトリ「明日を探る身体」より 岡田利規× 湯浅永麻『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』(2021)/さいたまダンス・ラボラトリVol.3「明日を探る身体」より小㞍健太『あはい』(2021)/さいたまダンス・ラボラトリVol.3「明日を探る身体」より湯浅永麻『シェヘラザーズ』 (2021)/バットシェバ舞踊団『SADEH21-サデ21』(2012) /マギー・マラン『Salves-サルヴズ』(2013) /日本昔ばなしのダンス『ねずみのすもう』(2006)/コンドルズ埼玉公演2015『ストロベリーフィールズ』(2015)/日本昔ばなしのダンス『へっこきよめ』 (2006)/フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ『不確かなロマンス-もう一人のオーランドー』 (2020)/アクラム・カーン+シディ・ラルビ・シェルカウイ『ゼロ度 zero degrees』(2007)/ヤン・ファーブル『わたしは血~中世妖精物語』(2007)/インバル・ピント・カンパニー 『Hydra ヒュドラ』(2007)/ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『コンタクトホーフ』 (2014)/フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA『CONTACT-コンタクト』 (2016)/ジェローム・ベル『GALA』 (2018)   /ディミトリス・パパイオアヌー『THE GREAT TAMER』/ヤン・ロワース&ニード・カンパニー『イザベラの部屋』(2007)/ナチョ・ドゥアト スペイン国立ダンスカンパニー『ロミオとジュリエット』(2008) /ホフェッシュ・シェクター『ポリティカル・マザー Political Mother』(2010) /Noism1『Nameless Voice~水の庭、砂の家』(2012)/ウィリアム・フォーサイス&フランクフルト・バレエ団『肢体の原理-リムズ・セオレム』(1994)/ネザーランド・ダンス・シアター『One of a Kind』(1999)/ローザス『Fase』(2002)/ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『天地 TENCHI』(2004)